インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ「「つながる工場」の実現へ」西岡 靖之理事長

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。年頭に当たり、平素より弊団体にお寄せ頂いております皆様の温かいご指導とご支援に対し、心から御礼申し上げます。

インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(Industrial Value Chain Initiative、以下IVI)は、日本機械学会「つながる工場」研究分科会を設立母体として2015年6月に設立されました。「つながる工場」の実現を目指し“ゆるやかな標準”というコンセプトを掲げてこれに取り組んでいます。2016年6月に一般社団法人化しました。IoTを利用する現場を持つ製造業100社以上、IoTの提供・支援をするサポート企業などを合わせて200社以上で参加メンバーは500名以上へと成長しています。2015年度(20テーマ)、2016年度(25テーマ)の2カ年の活動で45のテーマに取り組んでいます。

IVIが目指しているのは、製造業の課題を解決するリファレンスモデルを作ることです。IVIが特に留意しているのは、「デジタルとアナログの境界再定義」と「競争領域と協調領域の境界再定義」の2つです。「デジタルとアナログの境界再定義」とは、アナログを“人”、デジタルを“モノコト”として生産現場における人と仕組みの役割を再定義する取り組みです。欧米ではデジタル化による生産で生産ラインの完全自働化などを指向していることに対して、日本のものづくりでは今後も人が生産ラインで重要な役割を担うという考え方に寄るものです。「競争領域と協調領域の境界再定義」とは、これまでの自前主義をあらためて同じ課題に取り組む企業や組織がエコシステムを構築し、ここで競争する領域と互いに協力して課題解決に取り組む協調領域に分けてオープン・イノベーションに取り組むことです。

IVIでは、企業や組織を超えて1つのテーマに一緒に課題に取り組んでいます。これをさらに展開する試みとして、今年度より地方セミナー事業を、静岡、神戸、富山、佐賀の4カ所で実施しました。地方セミナーでは1・5日でIVIの業務シナリオ作成の手法を体験するセミナーを行っています。今年度の新しい取り組みとして、IVIの実証実験やその実用化に必要となるシステム実行基盤“IVIプラットフォーム”をIVIメンバーから募りました。これは製造業のIoT導入を促進する仕様策定に取り組むものです(17年1月現在で、17企業12プラットフォームが参画)。さらに、スマートマニュファクチャリングのリファレンス・アーキテクチャー
IVRA(Industrial Value Chain Reference Architecture)Ver.1を独自に構築しました。これは、欧米で開発されているIIRA、RAMI4.0などのリファレンス・アーキテクチャーに相当するもので、日本のものづくりにおける考え方も踏まえて考案したものです。製造業全体をサプライチェーン、エンジニアリングチェーン、企業レベルから装置レベルにわたる垂直な階層構造といった視点から捉え、また、その構成要素として人を内部に持つスマートマニュファクチャリングの自律的な組織が存在するのが特徴です。さらに、スマートマニュファクチャリングのエコシステムを構築するためのアプローチについても提案しています。欧米が作成したリファレンスを受け取るだけではなく、そのリファレンスをさらに高いレベルへ昇華できるような役割となるための取り組みです。

新年を迎えて、17年に目指す取り組みと将来の展望について少し触れたいと思います。まずは、3月の公開シンポジウムでは着実な成果を報告したいと思います。また、この実験を通じてシステム実行基盤である“IVIプラットフォーム”の仕様を整えていきます。また、今年度に構築したスマートマニュファクチャリングのリファレンス・アーキテクチャーIVRAを国際会議の場に提案していきます。

IVIは時代のニーズに応じて、本年も皆様のご支援・ご協力の元、国内だけでなく、国際的にも飛躍の年にするべく精進してまいります。最後になりますが、皆様方のご健勝をお祈り申しあげ、新年のご挨拶といたします。

ANSYS

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