日本食品機械工業会「食の安全・安心を堅守する」林 孝司会長

2017(平成29)年の新春を迎え、心からお慶び申し上げます。

さて、昨年の我が国経済は、政府の大型経済政策、緩和的な金融環境、先進国経済の回復を背景に、緩やかな回復を続け、大手企業を中心に企業業績の回復に一部明るい兆しも見えました。一方、個人消費の回復は鈍く、実質賃金は伸び悩み、企業の設備投資も低調に推移するなど、依然として、景気の足踏み状態が続いております。

国外の情勢では、アメリカにおいて大統領選挙が行われ、共和党のトランプ氏が勝利を収めました。新体制のもと、アメリカの経済、政治、外交がどのような方向に向かっていくのか、日米経済関係にどのような影響があるのか今後の動向については、注視してまいりたいと考えております。

特に、食品業界に大きな影響を及ぼす環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の行方には大いに関心を払ってまいりたいと感じております。

また、中国で開催されたG20において、英国のEU離脱、新興国経済の減速、各地で頻発するテロなど、世界経済の抱えるリスクについて懸念が表明され、依然として不安定な状態が続いております。

こうした国内外の動向を受け、我が国食品機械の販売額は、機種によって異なるものの全体では前年を若干上回る見込みですが、企業経営に関しては多くの会員の方々が厳しい見解を持っておられます。

食品業界では、食品の安全性の担保、原材料・エネルギーコストの高騰、低価格化、多様化する消費者ニーズ、環境対策、少子高齢化に伴う国内市場の縮小など多くの課題を抱えております。

我々食品機械業界は、ユーザーである食品業界の動向を常に注視し、コスト削減や効率化を追求しつつ絶えず技術革新を進め、安全・安心という基本を堅持し、食に関わるビジネスの新たな領域を切り開き、消費者のニーズに真摯にお応えできるような提案を行っていきたいと考えております。

そのため、当工業会は、食品機械の安全・衛生化の推進、国際化への対応、人材の育成など、国民の皆様の生命と生活の基本である「食」の安定供給を支えて参りたいと存じます。

本年6月には「食の未来への羅針盤」のキャッチフレーズのもと食品関係産業におけるアジア最大規模の展示会「FOOMA JAPAN 2017」を開催いたします。

40回目を迎える本展は、東京ビッグサイト東展示棟1~6ホールに新たに7・8ホールを加え、会場面積は約15000㎡を拡大、前回を超える規模で開催いたします。多くの企業の皆様にご出展を賜り、本年もまたFOOMA
JAPANに対する評価と期待を寄せていただいているものと関係者一同あらためて身を引き締めております。皆様の期待に応えるべく、本展の成功に向けて鋭意準備を進めております。

「食の安全・安心」を堅守しつつ、さらなる新たな領域を切り拓くための最先端のテクノロジー・製品・サービスの展示を通じて、日本経済活性化の一助となればと考えております。

当工業会は業界一丸となって、引き続き食品機械工業の発展と国民生活の向上に全力で努めて参りたいと存じます。

本年も当工業会に対しまして皆様方のより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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