SEMICON Japan 東京ビッグサイトで開催 世界に誇る半導体産業が集結

 

地図はここにある。さぁ、ビジネスの新大陸へ。

半導体製造装置・部品材料の世界最大級の国際展示会「SEMICON Japan(セミコン・ジャパン)2016」(主催=SEMI)が12月14日〜16日までの3日間、東京ビッグサイト(東展示棟、会議棟)で開催される。日本が世界に誇る半導体製造関連産業が集結する同展には、750社・団体が1750小間の規模で最新情報を発信する。開場時間は午前10時〜午後5時。入場は無料(事前登録制)。期間中6万5000人(前回の来場者6万378人)の来場を目指している。

次世代育成へ「MIRAIGAKKO」開催

今年で40回目となる同展は、半導体デバイス製造の全工程からアプリケーションにいたるまで、エレクトロニクス製造サプライチェーンを包含する国際総合展。今回の開催テーマは「地図はここにある。さぁ、ビジネスの新大陸へ。」。
SEMICON Japanの展示会場は、デバイス製造の設計からウェーハプロセスまでの前工程ゾーン(東2-5ホール)、前工程と後工程にまたがる関連製品とサービスなどの後工程・総合・材料ゾーン(東1・2ホール)の2ゾーンで構成されている。
今年のSEMICON Japanでは、第40回開催の記念事業として、若手エンジニアや学生を対象とした「MIRAI GAKKO」を開催する。半導体を核とするエレクトロニクス産業の発展は、イノベーションを推進力としてこれまで進んできた。
これからの産業の発展には、さらなるイノベーションの担い手となる人材の育成、確保が不可欠。「MIRAI GAKKO」は未来に向かって進む人を応援し、次世代を担う人材を育成することを目的としている。
「MIRAI GAKKO」では、全国の大学43研究室が参加し、産学連携、技術移転、共同研究の機会を提供する。さらに、6つの研究室が展示フロアに出展し、計49の研究室が参加する。
高専9校も、アイデアあふれる研究成果を説明する。
「TCHC CAMP」=グループ討議Hackathon、セミナー、交流会を含む3日間の集中講座
「アカデミア」=大学による研究開発の展示・口頭発表
「未来COLLEGE」=大学生・大学院生向け業界ガイダンス・ブースツアー
「未来プログラム」=若手社員/学生向けセミナー、パネルディスカッション
「THE高専」=高等専門学校の学生による研究発表会・展示
「INNOVATE Reception」=学生、若手社員、ベンチャーの交流会
14年から同時開催をしている特別展「WORLD OF IOT」(東3ホール)は、これからのデバイス市場のけん引役として注目されるIoTのアプリケーションと関連技術・製品を展示し、デバイス製造技術との交流によるエレクトロニクス業界全体の成長促進を目指す。
また、IoTアプリケーションの発展に大きく寄与することが期待されるフレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(FHE)技術についてのエリアを新設する。
SEMIは昨年10月にFlexTech Allianceと戦略的パートナー協定を結んでおり、この分野の出展もWORLD OF IOTに今年新たに誘致した。
昨年初めて設置した「INNOVATION VILLAGE」は、スタートアップと投資家や企業を結びつけるパネル展示、ステージでのプレゼンテーション(ピッチ)と交流会(ミートアップ)が一体となったイベント。今年は31社と参加企業を拡大し、エレクトロニクス製造サプライチェーンに、起業家や創業間もない企業の新しいアイデアを呼び込む。
主なものでは、ArtifactNoise LLP(IoT技術を用いた環境測定)、ADAWARP ROBOTICS(次世代テレプレゼンス・ロボット用開発ソフトウエア)、イヌパシー(心拍解析による犬とのコミュニケーションデバイス)、大阪大学(大気圧プラズマを用いたナノ精度の加工技術)、ピクシーダストテクノロジーズ(超音波を集束させることで音のボールを作る点音源スピーカ)、primesap(身体機能の改善保全にフォーカスした身体動作測定解析技術)、シミュラティオ(“自然言語”と“数式”を同時に理解する世界初の人工知能)、TRYBOTS(ペンギン型水中ロボット)、やまなし薄膜技術開発(ガリウム添加酸化亜鉛のプラズマ支援堆積技術)、ザーズ(VRから複数の匂いを出す、史上最小最薄のデバイス)等。
また、ピッチコンテスト「INNOVATION VILLAGEピッチ」では、15日(木)12時50分からINNOVATION VILLAGE展示エリアに隣接するTechSTAGE INNOVATION&IoTで、スタートアップ各社が5分間の発表を行う。

第一線技術者による講演も

SEMIジャパンの中村修代表は「半導体業界の成長の原動力は、イノベーションで、SEMICON Japanの40年にわたる歴史も、途切れることのないイノベーションの歴史であるといっても過言ではない。日本の半導体業界は、同時にプロセスや製品の多様性も拡大してきた。業界は過去に例のない大きな変化を迎え、現在そして未来のスマートで創造的な社会を支えるための、新たなイノベーションを必要としている。INNOVATION VILLAGEは新たなアイデアを業界に提案するという意味で、今年のSEMICON Japanの目玉のひとつとなる」と期待を述べている。
「製造イノベーションパビリオン」(東1ホール)では、半導体デバイスの性能・品質・コストを改善するイノベーションを発信する。
「持続可能なモノづくりパビリオン」(東1ホール)では、産業や企業の持続可能性の鍵となる中古装置、規制適合、水平分業を提案。
「国・地域・団体パビリオン」は、地理的あるいはビジネスセグメント別に、米国、ドイツ、モスクワ、東北、九州、ベンチャービジネス、商工会議所の各パビリオンを設ける。
展示会場に設置された3つの「TechSTAGE」では、半導体製造技術の最前線を、各分野を代表する第一線技術者が講演するSEMIテクノロジーシンポジウムをはじめ、多彩な技術・マーケット情報を提供。
「TechSTAGE SOUTH」(東1ホール)
「TechSTAGE INNOVATION&IoT」(東3ホール)
「TechSTAGE NORTH」(東5ホール)
一方、SEMICON Japanの展示会場には6つのプレゼンテーションステージを設置し、半導体プロセス・デバイス技術を中心に、先端技術動向、技術課題、その実用化技術を、第一線の技術者が発表するSEMIテクノロジーシンポジウムをはじめ、出展企業の技術・製品プレゼンテーションなどを連日無料で情報を発信する。
14日の「オープニングキーノート」では、価値観と文化が大きく変わる、想像を超えた近未来の世界を、2人の世界的な研究者が展望する。
IBMリサーチサイエンス&ソリューションのDario Gil副社長は未来へ」をテーマに講演する。人類は商取引を始めて以来、計算機を発展させてきた。WebとIoTがもたらす膨大な情報に対応するコグニティブ(自ら思考する)コンピューティング、さらには量子コンピューティングが示す情報技術の最前線を、IBMの世界11研究所に在籍する約1500人の研究者を指導するテクノロジーリーダーが語る。
また、筑波大学助教でデジタルネイチャー研究室落合陽一主宰が「魔法の世紀」と題し、映像の世紀から魔法の世紀へ、世界で起こりつつある決定的な変化の本質、さらにはコンピュータがもたらす「来るべき未来」の姿、新しい世界を創り、新しい世界で生きるために何が必要なのかを語る。
そのほか、SEMICON Japanを構成する各分野の基調となる9つのフォーラムが開かれる。

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