国内最大級の工作機械見本市 「メカトロテックジャパン2015」 日本屈指の工業地域「東海」国内外から熱視線

国内最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン2015(MECT2015)」(主催=ニュースダイジェスト社)が、21日(水)~24日(土)の4日間、名古屋市国際会議場(ポートメッセなごや)1号館~3号館で行われた。

1987年にスタートした同展示会は、西暦奇数年の秋に名古屋市で開催。15回目を迎える今回は444社・団体(1915小間)が参加、約8万人の来場が見込まれた。小間数はリーマン・ショック前の07年展に次ぐ規模で、前回を9.6%上回る。海外からも25カ国・地域から参加する。テーマは「ものづくり技術×最新マシンで次代を切り開く好機到来。」。

毎回、世界最先端技術の実演加工に挑戦する主催者コンセプトゾーン(企画展示)では、「マグネシウム」にスポットを当て、燃えないマグネシウム“KUMADAIマグネシウム合金”で製作したオリジナルワークの実演のほか、割れやすく成形加工に不向きな“AZ91”の深絞り加工に挑戦した。

また、主催者企画のセミナーでは、業界をリードする企業がそれぞれの分野からものづくりの今後について講演をおこなった。

■業界のトップ企業がセミナー
21日はテーマを「“自動車”~クルマづくりのいま~」とし、トヨタ自動車上郷工場長兼下山工場長の花井幹雄常務理事が「トヨタの生産現場におけるものづくり・人づくり~日本でものづくりを継続し、年輪的成長をするための取組み~」を紹介。さらに本田技研工業四輪生産企画統括部設備金型企画推進室の田岡秀樹室長が「ホンダの真ん中には“人間”がいる! 寄居プレス工場の世界最速生産スピードと金型工程短縮+軽量化STRIP Body」を披露。

22日はテーマを「“航空機”~航空機産業、次の一手~」とし、ボーイング・ジャパンのジョージ・L・マフィオ社長が「ビジネス環境とサプライチェーン 日本とともに民間航空機を製造」、富士重工業航空宇宙カンパニー生産技術部部品生産技術課の木村志郎氏が「航空機製造の新技術により新しい価値を創造し続ける富士重工業~さらなる成長を目指して」を講演した。

セミナー最終日である23日のテーマは「“軽量化”~日本発、新素材が世界を変える~」。熊本大学先進マグネシウム国際研究センター河村能人センター長が「世界が注目! 軽い・強い・燃え難いKUMADAIマグネシウム合金」、東レアドバンスドコンポジットセンターの古川正人所長が「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)による自動車・航空機の軽量化」で新素材を解説した。

■ロボット産業の取り組み紹介
同時開催イベントでもセミナーが二つ行われる。23日に行われる「あいちロボットセミナー」は現在、ロボットの開発や導入に取り組んでいる、もしくは取り組もうとしている企業を対象に、愛知県の取り組みや国内外のロボット産業の現状や先進的な取り組みを紹介するプログラム。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構の佐藤嘉晃理事による「ロボット新戦略の実現に向けた取り組み」では、昨年5月のOECD閣僚理事会で安倍総理が「ロボットによる新たな産業革命」を世界に発信したことを受け創設された「ロボット革命実現会議」やロボット革命の実現に向けた「ロボット新戦略」、ロボット革命を実現するための日本の戦略と、日本が世界のロボットイノベーション拠点になるため、NEDOが取り組んでいるロボットの技術開発について紹介した。

また、三菱電機FAシステム事業本部機器事業部主席技監で日本ロボット学会前会長でもある小平紀生氏が「日本の製造業の課題とロボット産業の動向」と題して、日本の製造業の国際競争力を視点に、今後のロボット産業に必要なイノベーションを探った。

24、25の両日に行われた「工作機械トップセミナー」では、全国の大学生約400人が参加し、工作機械業界で働くことの面白さを多彩な講師陣が学生に紹介した。

名古屋を中心とした東海地域は自動車産業、航空宇宙産業が集積する日本屈指の製造業の集積地域で、大手工作機械メーカーも多数本社を構えている。「メカトロテックジャパン2015」では国内はもちろん海外からの来場も多数となり、東海地域にさらに注目が集まりそうだ。

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