オムロンの子会社で、同社の「センシング&コントロール」技術を活用し、ベンチャー企業を支援するオムロンベンチャーズ(小澤尚志社長)は、施設園芸での栽培制御システムのベンチャー企業であるプラントライフシステムズ(PLS、横浜市港北区新横浜3―24―5、松岡孝幸代表取締役)に出資する。2014年7月に設立のオムロンベンチャーズとして初めての出資で、これを通じて農業制御システムへの参入を目指した技術開発、事業化検証を進めていく。
PLSは14年10月設立で、数値解析ソフト開発の技術力を生かし、これまで自動車開発や医療における制御技術の開発に取り組んできた。この制御技術を応用し、農業における栽培最適化支援システムの開発やプラントマネジメントなど、主に中小農家への生産性向上システムの提供を行っている。
PLSの制御技術は、オムロンのオートメーション技術との親和性も高いことからシナジー効果が期待でき、PLSが自社農場を保有していることから、事業化検証の着手や実際の事業化までの期間を大幅に短縮することが可能と判断した。
オムロンベンチャーズは、中国・無錫の現地企業と連携した実験農場を開所。約20万平方メートルにビニールハウス400棟を設置する計画で、このうち2棟の運営をスタートしている。ビニールハウスに設置する6種類計30のセンサーによって、農場の環境、野菜や果物の育成状況を把握し、適切なタイミングで水や肥料を与えることで、通常の1・5~2倍の生産量を見込んでいる。