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日本の製造業における生産計画の実態 (9)

実際、以下のようにシミュレーションがあまり適さない業態というのも存在する。

(1)一度立てた計画に対する変更が全く生じない場合=人が経験に基づく計画を立てる方がよほど早いし、ソフトウェアへの投資や工数のオーバーヘッドは回収できない可能性が高い。

(2)同一ラインで同一製品しか製造していない場合=装置の稼働と生産数がほぼ比例するため、効果は薄い。

(3)ほぼ手作業で、1品1品が完全にカスタマイズ品の場合=製造自体が属人的になるためシミュレーション自体が困難。

だが、多くの日本の製造業は「少量多品種」「段取り替えが頻繁」「生産計画の変更が頻繁」といった状態にあると考えられる。従って、ほとんどの日本の製造業においては、ソフトウェアを使った「シミュレーション」という手法によるメリットが享受できると考えられる。

費用対効果を考慮しても、十分投資する価値がある。生産シミュレーションソフトの初期投資費用も導入内容によるが、ヒアリング結果から200万~500万程度が最多になっている。仮に売り上げが100億円の企業が、売り上げの10%の仕掛品を持っており、年平均で3割の在庫削減ができたと仮定すると、3億円分を削減ができる。借入時の金利が1%だと仮定すると、300万円のキャッシュフロー改善になる。

もちろん在庫削減だけではなく、納期遅延の減少、生産性向上による残業の削減なども効果として表面化する。前記のニチバンのように、現場の意識変革による組織力の強化も金額には換算できない効果として見込める。

人員削減や福利厚生の削減による「○○万円コストダウン」といった後ろ向きのコストカットではなく、将来に対しての積極的な投資をしてはいかがだろうか。

次号では「製造業経営層への提言」を掲載予定。
(つづく)

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