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照光式スイッチ市場に活況が戻ってきた。設備投資全般の回復に加え、アミューズメントや社会インフラの整備に絡んだ需要も増加している。日本電気制御機器工業会(NECA)の出荷統計を見ても、照光式スイッチを含めた操作用スイッチ市場は、2013年第2四半期からプラスに転じ、第3四半期だけを見ると前年同期比2桁増で推移している。形状の小型・薄型化の進展に加え、光源の多様化、用途に応じた専用化などの開発が取り組まれており、新製品開発に向けた意欲は高い。新エネルギーや省エネなどに絡んだ新しい市場も生まれつつあり、先行きにも期待が高まっている。

■消費増税控え前倒し需要

操作と表示機能を一体化した照光式スイッチは、各種操作用スイッチの中でも、視認性やスペースの有効活用ができることなどから、大きな割合を占めている。NECAの操作用スイッチ出荷の20~25%は照光式が占めているものと見られている。照光式スイッチの主力市場である工作機械など各種加工機械は、このところ堅調な受注で推移しており、半導体製造装置もスマートフォンやタブレットPC向けの旺盛な半導体需要を受け、出荷が増大している。アミューズメントも停滞していたパチスロ機が活発化し、市場拡大の一端を担っている。4月からの消費税増税前の前倒し需要も加わり、好調な出荷が継続している。

照光式スイッチを含めた操作用スイッチの出荷額は、NECA統計で12年度は359億6900万円(前期比3・1%増)、13年度は第1四半期が同3・0%減となったが、第2四半期は1・7%増、第3四半期は12・3%増と好調に推移しており、第3四半期までの累計で4・4%増となっている。

照光式スイッチが使用される分野は、開閉制御装置、工作機械、半導体・液晶製造装置、食品機械、搬送装置機械、アミューズメント機器、ロボット、計測機器など幅広い。こうした市場はいずれも大きい市場であるが、最近では電力関連や再生可能エネルギー関連といったエネルギー分野での需要が伸びている。

■交通インフラ関連にも採用

最近では、産業分野、民生分野を問わず、省エネ・創エネ・蓄エネ・活エネといったエネルギー意識の高まりと、これらの需要に伴う各種のエネルギー・マネジメント・システムの普及などで、照光式スイッチ需要の盛り上がりにつながっている。特に、PV(太陽光発電)システムでは、家庭用、メガソーラーなどの新設が急拡大して、パワーコンディショナーや接続箱、計測器・センサーをはじめとした関連周辺機器需要も拡大し、照光式スイッチ需要拡大の追い風になっている。

鉄道やバスなど交通インフラ関連でも、照光式スイッチは数多く採用されている。車両のドアや運転席回り、車内の情報表示系統などの車両関連から、券売機、自動改札機、プラットフォームなど多岐にわたっている。鉄道車両用のスイッチは、高信頼性に加えデザイン性や操作性などがポイントになっているが、照光式スイッチは高い視認性により、一般乗客が簡単、確実に操作できる点から、着実な需要がある。

放送・映像・通信関連機器向けも大きな市場である。放送・映像機器は、頻繁に操作が行われることから操作性が重要視される。機器に応じた最適な操作性を実現するための開発が進んでおり、数々の高機能照光スイッチが採用されている。

■実装スペースを大幅削減

照光式スイッチで大きな技術の鍵を握るとも言える光源はLEDが主流となっており、白熱球やネオン球は徐々に用途が減少している。LEDは大きな特徴である長寿命や低消費電力、低発熱、省メンテナンス性などにより、光源としての評価は高く、すべての光源がLEDに置き換えられつつあるが、光源のLED化はスイッチの薄型化やデザイン性向上にもつながっている。従来の白熱球光源と比べ小さいことから実装スペースが大幅に削減でき、実装の制約もなくなる。トグルスイッチの先端部分を蛍のように照光できるのも、LEDが可能にした。

ここにきてLEDも高輝度化が著しく進み、視認性が一層良くなっている。同時に、輝度を落とさずにLEDチップの数を減らして消費電力を削減するための、照光面レンズの改良なども取り組まれるなど、ここでも省エネに向けた取り組みが行われている。

■メッセージ伝える表示用に

光源のLED全盛の中で、液晶(LCD)や有機ELなどを光源に採用する動きも継続している。ここでは、照光というよりは、メッセージを伝えるための表示用に使用されている。文字や数字、キャラクターなどをLCDや有機ELなどで表現することで、照光面から色以外の情報を伝えようとしている。これに半導体などを一体化することで、通信や一つのスイッチで多様な情報を表示できるツリー検索スイッチとして使用できる。

最近開発の多機能スイッチは、有機EL表示のスイッチを複数個組み合わせることで一つのスクリーンを形成し、大画面でのメッセージ伝達やテレビの画面のような動きのある表示などを可能にしている。スイッチ個々のフレームを極力細くして違和感のない一体画面となっている。もちろん、個々のスイッチはストローク感を持たせたスイッチとしても使える。このように光源の多様化は新しいスイッチ用途を広げようとしている。

光源のLED化は、照光式スイッチの短胴化構造にも貢献している。ベゼル高さが1・8ミリという薄型・フラット構造の照光式操作用スイッチは、操作パネル全体がシャープで引き締まったデザインを実現することに加え、凹凸の少ない操作パネルは、食品機械や半導体製造装置で求められるゴミやホコリの付着を防ぐ。さらに、操作スイッチ表面の突起が低いことで、誤操作などを防ぐ効果もある。また、スイッチの短胴化によりパネル奥行きも薄くなり、制御機器の小型化・薄型化につながっている。

照光式スイッチの表面フィルム材料の工夫により、淡色のLED色でも2つの発光色やメッセージの表示、あるいは通常は鏡のような表示面が、使用時のみメッセージや色が表示されるといった、新しい照光式スイッチの開発につながっている。

スイッチ装着の安全対策や配線作業の省力化も進んでいる。操作用スイッチのフランジにステンレスを採用することで、金属質感を出し、より高級感を演出するスイッチもある。ステンレスのため紫外線などの耐候性も高い。

■環境負荷低減と短胴化両立

スイッチの配線時にはんだ作業をなくし、スイッチのユニット部分の端子ホルダー穴に電線を挿入し、平行プライヤーで端子を圧接するだけで結線が可能という方式は、はんだやはんだ付けのための電気も不要で被覆廃棄物も発生しないなど、環境負荷低減と配線作業の短縮化の両立が図られる。

照光式スイッチを含め操作用スイッチは機器のインターフェイスとして必須である。この中で照光式スイッチは、タッチパネルやプログラマブル表示器などとの棲み分けを図ろうとしている。前述の有機ELスイッチもその中から生まれてきたスイッチの一つだ。確実な操作感触、高い保護特性、過酷な使用周囲環境、そして機器にマッチしたデザイン性など、市場のニーズはまだまだ多く、新製品開発の余地を残している。電気と機器をつなぐ照光式スイッチの役割は依然、重要性を維持している。

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