豊かな感性を次の世代へ

サンセイテクノスが、創業者浦野正一氏の郷里に9月オープンする「サンセイミュージアム」の展示で、「彫刻」、「絵画」の次に来る展示室は「考古」。

浦野正一氏が美術品の蒐集を始めたきっかけは、正一氏が当時の教科書に掲載されていた武蔵国分寺の瓦の写真を見て、「美しい」と感じたことから始まる。しばらくして、近くの神社で見付けた瓦が平安時代のものと分かり、それから瓦の魅力に惹かれ、寺院の古瓦を中心に発掘、蒐集の道に入ることとなった。

浦野英幸社長は「創業者の出生の地である堺市美原区に美術館を造り、瓦の美しさを多くの方々に知ってもらいたい、というのが父の願いでした」と語る。

このミュージアム構想の原型は、約10年前に遡る。2002年に竣工した同社本社屋は、同社の考え方を建築によって示す存在であったが、この中に瓦の展示室「楽瓦庵」を設置した。

瓦が日本に伝わったのは、1400年以上前であるが、当時は寺院など一部の建築にしか使用されない、最先端の技術であった。それが時代を経るにつれ、先人の努力と工夫で、より良い建材が開発され普及するようになった。

同社は、電気機器の販売やシステム構築を通じ、モノづくりに寄与しているが、これは製品の改良や大量生産を通じ、現在、そして未来(次世代)の生活を改善するということである。このことは、瓦という当時の最先端のものが経過してきた過程と共通するものがある。

楽瓦庵は、次の世代の生活と文化への発展に寄与したいという同社の願い、あり方を象徴的に示すものであった。

楽瓦庵開設から約10年後に完成したサンセイミュージアムの「考古」展示室には、楽瓦庵に展示してあった瓦を中心に約300点が展示されている。

瓦は中国で発祥し、朝鮮半島を経由し日本に渡来してきた。展示室には、日本だけでなく、戦国時代や漢王朝といった古い中国の瓦や、高句麗や新羅、百済など朝鮮半島で発掘された瓦、塼(せん=レンガ状の瓦)、銅鏡、ガンダーラ地方の出土品、さらに日本の縄文時代、弥生時代の土器、土師器や須恵器なども展示されている。

「私自身、子供の頃からたくさんの古瓦に囲まれて育ってきたことが、美しい物に対する興味に繋がったのかも知れません。このホールに展示された美術品は、単純に美しいものを集めて展示しているということではなく、豊かな感性を次の世代に受け渡していきたい、先人の文化財産を多くの人に見ていただきたいなど、様々な思いが込められています」と、浦野社長はミュージアムの意味を説く。
(つづく)

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