小型・高速処理・高機能化が急進展制御セキュリティ、機械安全制御に注目

最近のPLCは、小型化、高速処理化、高機能化が著しい。高速処理化では、基本命令1・9nsを実現した製品もあり、高速化に拍車をかけている。こうした高速性は、装置の高速化を実現し生産タクトタイムを大きく向上させる。同時に、ネットワークサービスによるスキャンタイムの不安定動作の低減にもつながる。

小型PLCでは、小型・省スペース・ローコストという特徴のほかに、「適切な制御点数、必要な機能が選択できる拡張性、操作性の向上」が市場ニーズとして求められている。さらに、最近では高機能命令やプログラム容量の拡大、さらに入出力点数の増加などの要素も必要になっている。

PLCでは最近、制御セキュリティと機械安全制御が注目されている。

制御セキュリティは、PLCが従来はインターネットなどのネットワークとは分離した工場などの製造現場で使用されることが多いとして、ネットにつないで使用する事務などの制御PCに対するほど、気にすることはなかった。しかし、最近の製造現場は、外部と通信ネットワークを介して、生産情報や管理情報、営業情報などの交換を行うケースが増えており、ウイルスなどに感染する頻度も高くなっている。外部からUSBなどを使って、制御プログラムの書き込みや移管、モニタリング、試験なども増えており、一層ウイルスに感染する危険性が高まる。

最近はこうした制御セキュリティの重要性への認識が高まり、産官や工業会などが連携して対応に乗り出しており、中でも制御システムセキュリティセンター(CSSC)では今年5月28日、宮城県の多賀城市に工場や発電所の制御システムを守るための日本初のハッカー養成施設を開設した。サイバー攻撃の模擬攻防施設として成果が期待されている。PLCメーカーも、ウイルスやハッカーの侵入を許さないような設計を、ハード・ソフトの両面から取りつつあり、ウイルス対策のソフトメーカーも取り組みを強めている。

機械安全では、PLCのCPU二重化や、データ伝送経路の二重化を取り入れる対応は行われてきたが、さらに、PLCによる電子化した安全制御を実現したPLCも普及している。こうしたPLCは、特に安全対策としてCPU、通信の二重化はもちろん、OSレベルから異常を常にチェックすることで、安全な機械制御を可能にしている。
海外でのサポート体制充実

PLCの市場はますますグローバル化を強めており、ハードだけでなく、ソフトウェアやソリューションなども重要性を増している。大手PLCメーカーを中心に、こうした動きに対応してFAセンターなどを海外に設置して、現地のニーズにきめ細かく対応しようとする動きも強まっている。

工場だけでなく、エネルギーやビル、社会インフラなどの公共設備などにも用途が広がっており、市場の前途はこれからも期待が持てる。

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