配電盤・制御盤配線の省力化・合理化手法端子台接続方式の国際トレンドを探る

2013年5月22日

◆施工性向上させる工具類◆

前回までスプリング端子台の主なメリットとして、国際規格整合、省工数、省スペース、メンテナンスフリーといった点を挙げてきたが、関連製品を検討することで、更に施工メリットを向上させることが可能である。

端子台は電線を配線する機器であるため、まず電線加工が必要となる。配線工具でも切れ味がよく、人間工学的にデザインされた作業性の良い工具が多くある。

例えば、日本であまり見かけないドイツ製「ガングリップ型ストリッパー」は女性作業者でも長時間楽に作業ができる製品としてヨーロッパでは好評である。刃を替えることで長持ちさせたり、テフロン系などすべりやすい電線用に刃の形状を変更することもできる。

スプリング式端子台に欠かせないフェルールの圧着には専用工具を使用するが、スプリング式端子台の普及拡大により、自動工具の需要も高まっている。エアーを使ってフットペダルで操作するものから、全自動で剥き線から圧着まで行うものなど、用途と頻度によっていろいろな機種が用意されている。
◆スチール製DINレールの利点◆

ヨーロッパの場合、従来からアースはDINレールを介して直接落とす方式のため、DINレールはスチール製のものを採用している。国内ではアルミ製DINレールが主流だが、アース端子台のJIS規格化により、導通性の高いスチール製が今後広まっていくと思われる。

同時に、様々な制御機器がDINレール取り付けになってきており、電源など重量のある製品には、アルミ製より剛性の高いスチール製の方が、信頼性がある。アルミ製DINレールは、加工のしやすさで採用されることが多いが、カット済みのスチール製DINレールなども製品化されており、加工の手間も削減可能である。
◆マーキングプリンターの効能◆

制御盤内には数多くのマーキングが必要である。端子台用、各種電線用、機器用、ダクトや制御盤本体へのマーキングなど、制御盤あたり数百のマーキングが必要なことも珍しくない。

通常このようなマーキングは、端子台および電線へは専用マーキング装置、機器用には事務用ラベル機などを使用している。制御盤へのマーキングは専門業者に依頼して作成してもらうケースが多いが、最近では、このような様々なマーキングを1台で印字できるプリンターが発売されている。マーキングプリンターを統合することで得られるコスト削減は、思った以上に大きなメリットと言われる。
◆スプリング式端子台の普及確実◆

国内市場でもスプリング式端子台は、「振動に強い」という特徴を生かし、鉄道、船舶、昇降装置などの動きのあるアプリケーションに採用されてきた。近年では、省工数、省スペース、メンテナンスフリーなどのメリットが注目され、自動車生産設備、工作機械、半導体製造装置、印刷機械、包装機械といったいわゆる機械装置から、キュービクルや分電盤といった従来は丸圧着端子台しか使用されていなかったアプリケーションにも広がっている。スプリング式端子台の中でも、フェルールを圧着すれば差し込むだけで接続ができる「プッシュイン式」や、端子台にコネクタが付属して、機械装置の搬送、現地での組立工数の削減や、メンテナンス時の工数削減を考慮した製品のラインナップが拡大してきており、今後国内市場では、より一層スプリング式端子台の普及が進むと予測されている。
(おわり)

【筆者=フエニックス・コンタクト株式会社
マーケティング部
飯島
一憲氏】