わが社の’13経営戦略 付加価値ゾーンに着目

昨年の秋、上海で開催された中国国際工業博覧会を見る機会があった。その規模の大きさから全てを見ることはできなかったが、日本で開催される展示会と比較して気が付いたことがあった。それは国際色が一層豊かだということだ。しかし一方、日本は工業先進国であり、日本企業が圧倒的に強く、市場を占有しているため、外国勢には入る隙がなく、海外メーカーの出展が少ないように見える。ところが、中国市場は発展段階にあり、市場の大きさが世界中の企業にとっては魅力的で、巨大なチャンスとみてエントリーしてきているのだと思った。

時間がなくて、全ての会場を見ることはできなかったが、まずはその出展数の多さに驚き、しかも日頃余りバッティングしていないことにも驚いた。私が単に市場を良く見ていないからではあるが、それにしても何故こんなに日本の風景と違うのだろうかと思った。

例えば、ヨーロッパ勢の出展が多いのも気になったが、それら企業とのバッティングが少ないことを気にしながら、理由探しをしていた。その後、ヨーロッパに出掛け、代理店を回り、最近の当社の対応の悪さを指摘された。近年限定的なマーケットの対応に追われ、それまで大事に守ってきたFA市場から目をそらしているとズバリ指摘を受けた。

それで気が付いたことがある。日本のFAマーケットが大きく変わり始め、市場は中国へと移り始めているようだ。中国が主戦場になることで市場価格は急激に低下し、一層厳しい状況を招いている。しかし一方、ヨーロッパではそれとはひと味もふた味も違う技術が進化し、日本企業のそれとは少し違った進化をしているのだ。そして、その技術を持って中国へ乗りこもうとしている。

私はその視点の違いに気が付いて愕然とした。ボリュームゾーンだけに目が眩んで、付加価値の高いゾーンを見逃すところだったと。

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