IEC61131-3規格準拠PLCプログラムミング言語国内でも普及の兆し PLCメーカーもソフト発売 10月20日に技能審査試験JSIA関西支部後期国家検定に向け

日本配電制御システム工業会(JSIA、丹羽一郎会長)は9月、制御盤製作の省コスト化調査研究の第1ステップとして、配線接続の合理化に関する報告書をまとめた。スプリング端子台及びコネクタなどによる合理化を提言している。今後、第2ステップとして筐体部材、機器取り付けなどに関する合理化の調査研究を行う。報告書は配電盤製作にも利用価値が大きいものと見られる。

JSIAの制御・情報システム部会は、制御システムメーカーが直面する技術的課題を解決するための切り口の一つとしてPLCプログラミング言語の研究に着手、2008年12月には「やさしい国際標準PLC」を発刊するなどPLCopenの協力を得て国際標準IEC61131―3規格の普及に取り組んできた。IEC61131―3は、現在の主流であるLD言語、計装技術者に浸透しているFBD言語、さらにPCに慣れた技術者が使うST言語、機械技術者で用いられるSFC言語を混在してプログラムすることができるため、PLCソフトウェア作成の効率化につながる利点がある。

PLCではLD言語が主流であるが、制御システムのグローバル化、技術者の世代交代などを背景に、国際規格が国内においても普及するものと見られていた。

JIS規格もIEC規格との整合化へ1997年にプログラマブルコントローラープログラム言語JIS B3503が制定され、今年6月に改正された。改訂版は規格内容や構成が変わるIEC規格に整合させるためである。

制御システム技術者などが国際標準のPLCプログラミング言語を採用する機運が盛り上がり、規格の面でIEC整合化が進むことにより、PLCメーカーも統合パッケージソフト発売などに乗り出している。

三菱電機は、シーケンサエンジニアリングソフトウェアMELSOFT GX Works2を発売。シーケンサの設計向上へIEC61131―3規格の部品化・構造化プログラミングに対応し、SFC、ST、ラダーなど用途に応じた言語を自由に混在して活用できるツールである。

オムロンは昨年7月発売のIEC61131―3準拠の次世代コントローラSysmacNJシリーズ、ソフトウェアSysmac StudioがPLCopenから「モーション制御用ファンクションブロック」への適合を認証された。また、FA統合ツールパッケージCX―OneはLD、ST、SFC、FBD言語をサポートできる。

横河電機、富士電機システムズ、東芝など多くのPLCメーカーのほか、表示器でもデジタルなどが国際標準言語に対応する方向にある。こうしたオープン化の動きは今後より一層活発化するものと見られる。制御システム各社でも、技術者の世代交代と並行してメーカーやPLC機種に依存せずに、アプリケーションソフトウェアを独自に開発する傾向が強まりそうである。
日本配電制御システム工業会関西支部は、大阪府職業能力開発協会が主催し来年開催する国家試験「2012年後期技能検定試験」に向け、配電制御システム検査技師1級・2級の技能審査試験(学科・実技)を10月20日、大阪府摂津市三島1―2―1の関西職業能力開発促進センター(ポリテクセンター関西)で実施する。

同工業会関西支部では、業界の技術レベルアップのために、技能検定試験の受験を推奨しており、受験のための研修会や学科・実技試験を開催している。すでに、配電制御システム検査技師1級・2級の技能審査試験の研修会を9月22日・23日の両日実施しており、審査試験の結果は、12月初旬に発表する予定である。

一方、大阪府職業能力開発協会が主催する2012年後期技能検定試験は、同工業会が関わる試験項目として、配電盤・制御盤製図作業とシーケンス制御作業(ともに1級・2級)があり、10月1日から10月12日まで受験の申請受け付けを行う。

同技能検定試験においても、試験に先立ち研修会が、シーケンス制御作業12月8日、配電盤・制御盤製図作業12月22日と23日の両日にそれぞれ開催される。

実技試験は、シーケンス制御作業が13年1月26日、配電盤・制御盤製図作業が1月20日、学科試験がそれぞれ1月20日、2月3日に開催され、3月8日に結果が発表される予定である。試験会場は実技がポリテクセンター関西で、学科は未定である。

オートメーション新聞は、1976年の発行開始以来、45年超にわたって製造業界で働く人々を応援してきたものづくり業界専門メディアです。工場や製造現場、生産設備におけるFAや自動化、ロボットや制御技術・製品のトピックスを中心に、IoTやスマートファクトリー、製造業DX等に関する情報を発信しています。新聞とPDF電子版は月3回の発行、WEBとTwitterは随時更新しています。

購読料は、法人企業向けは年間3万円(税抜)、個人向けは年間6000円(税抜)。個人プランの場合、月額500円で定期的に業界の情報を手に入れることができます。ぜひご検討ください。

オートメーション新聞/ものづくり.jp Twitterでは、最新ニュースのほか、展示会レポートや日々の取材こぼれ話などをお届けしています
>FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

オートメーション新聞は、45年以上の歴史を持つ製造業・ものづくり業界の専門メディアです。製造業DXやデジタル化、FA・自動化、スマートファクトリーに向けた動きなど、製造業各社と市場の動きをお伝えします。年間購読は、個人向けプラン6600円、法人向けプラン3万3000円

CTR IMG