混沌時代の販売情報力黒川想介 女性のショッピングを見習う

最近、メンズ関係の店や売り場が増えてきたようではあるが、まだまだ売り場の面積は女性の物が圧倒している。風刺画でよく見る光景は女性の後から、前も見えないほどの買い物を持った男性が歩いている光景である。買い物と言えば古来から、どの国でも女性は買い物好きだということだろう。男性の買い物は何々を買うという目的をもって出かけるが、女性はそうではないらしい。男性は一般的に買う目的を持たないで、ウインドーショッピングをするのが苦手である。その点、女性はウインドーショッピングが好きである。常日頃ウインドーショッピングでいろいろ見て回っているから、目が肥えているし、買い物に対する情報が豊富である。最近では通販ガイドやウエブサイトで、ウインドーショッピングをしているから、ますます目は肥え、情報も豊富になっている。

一方、男性の方は女性に同行を強制され、買い物する機会が増えたせいで多少目は肥えて来たようである。しかし一人の時の買い物は相変わらず目的をもってショッピングをする傾向にあるので、いろいろ見て回る余裕はあっても、直行即決のショッピングである。

男性の買い物の仕方が昨今の販売員に影響しているせいでもあるまいが、電気部品や制御コンポ販売員は用件、案件に一直線に向かって、終われば多少の雑談をして帰ってくる。販売員の最も重要な任務は現場情報・客先情報の入手である。案件打ち合わせや商品のアピール等の用件に一直線に向かって、終われば帰ってくるのではもったいないのである。ここは女性のショッピングの仕方を習った方がいい。

男性のショッピングは必要な物や買いたい物を探して、早々と済ませてしまおうという気持ちがどこかにあるが、女性はそのように目的に向かって一直線に行くのではなく、お金はなくともいろいろなウインドーを見て楽しんだり、店員の方に何やら質問して会話を楽しんでいるようだ。好きなことや楽しいことは続けることができる。続けていけばやがて目利きになり、情報通になる。女性はショッピングに関して達人になる道を知っているのだ。営業は数字を抱えているから楽しむ余裕はないように見える。それでも仕事だから営業活動を続けている。続けているから多少の情報通や多少の目利きにはなっていく。しかし好きで続けることや楽しんで続けることと違って達人への道のりは遥かに遠い。販売員はいつも数字と同居しているから、早々と案件情報をいただきたいという気持ちがどこかにある。案件情報を探し出すには、それ以外の情報を収集しなければならない。戦闘では情報の多い方が勝つ。多ければ多いほど作戦の選択幅が広くなるからだ。_

営業においてもまた然りである。情報が多ければ多いほど、直近の売上げ活動に有利になるし、メーカーなら新しい商品の創出に役立つであろう。商社なら新しい商材が扱いたくなるのも情報の量次第である。情報の量が多くなれば質はついてくるものだ。情報の量を増やすには、女性のショッピングの如くすればいい。女性はショッピングが楽しいから貪欲になれる。

情報収集も案件情報という強迫めいた義務感から脱すれば、好きな情報を好きなように収集できるようになる。ところが現在の若い販売員に、好きなように、どんな情報でもいいから取って来なさいという宿題を出しても案件情報に縛られてしまう。どうしても情報収集を楽しむことはできないようだ。

(次回は5月30日付掲載)

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