混沌時代の販売情報力 メディアを活用して仮説立てる

製造や業務の現場で何が行われているのか、何が行われようとしているのか、販売員はそれらの情報を探って売り上げアップにつなげようとして顧客や見込客を訪問する。情報を入手するためには仮説を持っていなければ、うまく運ばない。仮説は販売員が顧客から直接入手した直接情報と、机上で学習した間接情報から生まれる。販売員は顧客と面談し様々な話題に触れ、顧客の色々な情報を耳にしている。そして時間とともに自然と顧客の製造現場や業務現場の知識が身についてくる。それが現場経験というものだ。

また、販売員は展示会、新聞・雑誌を見たりセミナーや営業教育訓練などによって自分達の顧客や業界・市場に関することを知るようになる。これらは顧客から直接入手した情報でなくとも、顧客と関係ある有効な知識である。販売員が営業活動をするのに大切な仮説をつくる知識は、以上のように現場経験から得たものか、メディアや営業教育訓練によって得たものかのどちらかである。販売員は直接情報と間接情報によって得た仮説から、自分達が提供する商品やアプリケーション情報は顧客や見込客がきっと関心を持ってくれるはずだという自信を持って訪問活動をしている。

ところで、昨今の製造現場や業務現場は複雑になっているため、販売員の現場経験だけでは適切な仮説を立てることがむずかしくなっている。適切な仮説を立てるには、メディアや各所で行われる販売員教育などのデスクワークで得た情報に負うところが大きくなっている。そのため営業教育訓練が盛んになり、商品に関する技術的知識の他に、販売する商品はどのような装置やどのような製品に使われているかというアプリケーションの学習が盛んになっている。この流れで営業をすれば、デスクワークで学んだアプリケーションの知識は販売員達の顧客に気に入ってもらえるかどうかの検証の役に立つであろう。

しかし教育訓練で学ぶアプリケーションは一般的に知られているものが多く、既に顧客で採用しているケースも多い。それでも既に競合他社メーカー品が採用されていることがわかると、学習した商品の特徴や技術的知識をフルに活用して、なんとか持ち込んだメーカー品切り替えの営業活動を推進することができるのだ。だからデスクワークで学ぶアプリケーションの知識は売り上げ拡大のための情報として有効であることには違いない。それに、アプリケーションを売り込むことで、現場経験が加算されることも間違いない。それでも学習で学んだことを検証するという情報入手にとどまってしまっていることは否めないのだ。売り上げアップの活動につながるからそれで十分というにはもったいない。販売員はもっと貪欲な情報活動をすべきである。

間接情報には教育訓練というデスクワークの他にメディアからの情報入手という手がある。特に昨今の業務の現場は社会のニーズに基づき次々と新製品が誕生する。また、製造の現場も新しい生産体系になって複雑さを増している。そのような新製品情報や市場の変化、トレンドを新聞などメディアが報じている。新聞などのメディアをもっと活用して仮説を立てれば、教育訓練で学んだアプリケーション情報を単なる検証のツールとして使うだけでなく、もっと別の角度からの情報入手が付加されることは間違いないのである。
(次回は4月25日付掲載)

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