分岐点

ある会社でのこと。扇風機が歯を食いしばり有らん限りの力で左右に大きく首を振っている。その横で、ワイシャツの袖をまくり、首にタオルを巻いてパソコンのキーを叩いている。ワイシャツを透かして下着が見えるほど汗を掻いている彼は「節電対策だよ」と笑う。表情はさわやかで、一種の涼感をも漂わせている。

この会社は、夏時間を採用し午前7時出社、午後4時退社である。午前中は空調を運転しない。午後1時から冷房するが、設定温度は28℃である。その温度へ急速に冷えていく感触がたまらないほど心地よいそうだ。当初はかなり不満が出たというが、そのうちに各人が工夫を凝らすようになり、社内の人間同士の風通しはむしろ良くなったという。

「変化」は力をもたらす。配電制御システム業界は技術進歩が遅いといわれてきたが、実際は個々の企業で改革意欲が盛り上がっている。日本配電制御システム工業会の広報誌7月号に、変化への取り組みを常態化するまでに消化して生き生きとする企業が紹介されていたが、他の企業も同様であることを思うと、業界の底流が変化しつつあることを確信した。

日本を矛盾容認社会と指摘する工学博士は「対立を伴う変化を回避する内部規範社会から抜け出さない限り、国外では通用しない」という。小さな変化でよい。大切なのは、何かしら新たな取り組みを起こしたいという気持ちと行動である。

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