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加工機械を取り巻く機械安全対策機器はじめに 電磁ロック・セーフティドアスイッチ 非接触式セーフティドアスイッチ セーフティコントローラ セーフティモーション おわりに

日本メーカーの各種加工機械は国内のみならず、海外での使用も非常に増えてきている。こうした加工機器は、生産効率を良くし、出来上がってくる製品の品質が安定していることが重視されるが、加えてその機械に携わる作業者の安全を確保できる機能が重要であり、安全規格も考慮する必要が出てきている。作業者の安全確保という面では、2009年における国内製造業の金属加工用機械による労働災害者数は2192人となっている。(死亡災害及び休業4日以上の事故=厚生労働省「労働者死傷病報告」)

規格の面でも、ISO(国際標準化機構)やIEC(国際電気会議)が機械の安全について、国際的な標準化をはかっており、国内の機械設計の基準となるJIS規格も、ISOやIECに沿った安全の考え方を取り入れている。

このように機械の安全を求められているにもかかわらず、実際には安全に関する方策が難しいという設計者の声を聞く。

そこで機械を安全にする制御機器を紹介することで機械の安全について、理解を深めていただきたい。機械の加工部で調整、点検中に作業者が巻き込まれ、けがをすることがある。

そのため、作業者が危険な状態にならないように、安全対策がなされてきた。

その一つの例が「物理的に隔離」することである。

例えば、加工部などの危険な場所をドアなどでガードを閉じ、人が立ち入れないように隔離することで金属加工用機械に多い災害の「はさまれ、巻き込まれ」を減らす事ができる。

さらに機械の加工部が電源を切った後、慣性で動き続ける場合も、ガードを閉じた状態でロックして、加工部が停止状態となるまでガードが開かないようにする。

この機能を有する制御機器が、電磁ロック・セーフティドアスイッチである。

オムロンでも小形の電磁ロック・セーフティドアスイッチとして「形D4SL」を品揃えしている。世界最小クラスのサイズで、配線工数、取り付け工数を削減でき、優れた強度、耐久性をもったドアスイッチであり、機械・装置の安全設計に利用できる。接触式ドアスイッチは前述のように大きなメリットがあるが、デメリットもある。接触式のドアスイッチの場合、キーと本体の開口部が正確に入るように、設計する必要がある。

また、ドアのたわみも考慮した設計が必要になり、設計の難度が高い。しかし、非接触式の場合、取付が簡単であり、多少の遊びがあってもドアの開閉が検知できる。

ドアのたわみにも強く、ドアの開閉方法によって取付方法を変えることができ、設計も簡単で現場でのとっさの変更も可能である。接触式のようにキーと本体が接触しないためパーティクル(小さいホコリ)が発生しないため、製品の品質安定に寄与できる。

オムロンは、小形の非接触式セーフティドアスイッチ「形D40Z」を準備した。

この製品は、オムロン独自のセーフティ対応電磁誘導方式を採用したことで、非接触でありながら確実に検知ができる。また、専用のコントローラと組み合わせることで、より危険な現場に対応できる安全の最高レベルPLe(ISO13849‐1:2008)を実現した。安全に関する入力機器だけでは、機械を安全にしたことにならない。機械の安全回路の異常時、機械の動力源を止めることや安全機器や回路に異常があったまま、再起動がかからないようにする必要がある。

異常のまま、機械が動き続けたり、再起動がかかってしまうと作業者が事故にあう可能性が格段に高まるからだ。

そのため、安全回路を実現するためにはセーフティコントローラが必要になる。

セーフティコントローラは、適切な安全回路を組めば、異常時、機械の動力源を停止し、再起動がかからないようにする設定ができる。

現在、多品種で決められた商品をできるだけ短時間で作成するには、変更にあわせて柔軟にプログラミングできるセーフティコントローラが必要となっており、オムロンの「形G9SP」はその要望に応えてできた商品である。サーボ、インバータ関連のモーション機器は、動力源のコントロール機能を有している。異常時には適切に動作を停止し、作業者の安全を確保しなくてはいけない。

今までは作業者の安全確保をするために、サーボモータで動作している機械を緊急時に停止させる際、コンタクタでドライバの電源を遮断し、モータを止める方法があった。

この方法は、確実に遮断できるもののコンタクタで切断するため、ドライバの故障を誘引したり、停止した後の復旧時間がかかるという課題があった。

オムロンは、ドライバ自体が安全に関する機能を有することにより、コンタクタで切断することなしに、安全を確保できるACサーボモータ/ドライバ「OMNUCG5シリーズ」で実現した。

そのセーフティ機能の一つが、セーフトルクオフ:Safe
Torque
OFF(STO)である。この機能は、IEC61800‐5‐2の国際規格で規定されており、動力源の電力供給を切断することにより、安全になる。つまり、モータはエネルギーなしに危険な状態にはならないような機能をドライバ自身が有している。(※但し、セーフティコントローラの組み合わせは必要)

コンタクタをなくしたことで、遮断によるドライバの故障を減少させ、停止した後の復旧時間も大幅に短縮できることになった。国内の設計者は安全な機械を設計するために、最新の国際安全規格を認識し、導入することが必須である。

また、安全規格も不変なものではなく、日々技術進捗にあわせた対応になってきており、生産や保守を考慮した安全規格が提供されている。今後は、海外向けの機械だけでなく、国内向けの機械にも当規格は影響し、より安全な機械を設計することを要求されていくであろう。

(筆者=オムロン株式会社)

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