流量計を活用した工場エアの削減1.エア流量計の活用方法について 2.省エネ効果事例について 3.使用機器の紹介 4.おわりに

近年、コンプレッサエアの省エネ対策のツールとして、エア流量計を活用するケースが増えている。本稿では、その活用方法と効果事例について紹介する。(1)コンプレッサ能力の過剰供給改善

コンプレッサの最大供給能力(立方m/h)と、工場での最大使用流量(立方m/h)の対比によりコンプレッサの適正配置数と必要能力が把握できる。

(2)エア漏れ削減

多くの場合、生産が停止したときそこにエアが流れていれば、それが漏れであると見ることができる。エア配管毎に流量計を設置することで、漏れ箇所発見、修復活動を促すことが可能となる。

(3)生産ラインでの過剰使用

重要箇所に個別流量計をつけ、最適な使用量を数値化することで過剰使用のムダを避けることができる。また、一般に2.5~3円/立方m程度といわれるエア単価を設定し、消費部門毎のエア使用量の管理または課金を行うことで使用者側にコスト意識と削減意欲の向上をはかることが可能である。

(4)配管経路や適正配管サイズの把握

エア配管は経路が複雑に分岐しており、使用しない配管にエアが供給されているケースも多く存在する。コンプレッサヘッダに流量計を全て取り付け、電力量を計測することで、エア原単位(立方m/kwh)を算出することができる。コンプレッサ効率を把握することで不要配管を発見、その経路の漏れをなくすことができる。

また、流量を把握することで管内流速の想定ができるため、流速が高すぎる箇所については配管サイズをより大きなものに変更し、圧力損失を低減させることで電力量削減を実現することができる。以下にユーザにおける主な事例を紹介する。

(事例1)コンプレッサの適切容量パターン運転

(1)改善前

従来は、圧力による台数制御をおこなっていたが、負荷流量が不明であったため適切なコンプレッサ容量を選択できなかった。
(2)改善後

気体流量計CMLを工場エアヘッダ下流の3箇所に取り付け、日毎/時間毎の負荷流量の計測を実施。計測した負荷流量に合わせて、

300馬力
×3台

200馬力
×1台

100馬力
×1台

計5台のコンプレッサをスケジュール運転させた。

従来は、圧力による台数制御をおこなっていたが、負荷流量が不明であったため適切なコンプレッサ容量を選択できなかったが、流量監視によりそれが可能となったため、適切容量運転を実現することができた。
(3)削減効果

コンプレッサ停止による削減

:年間600万円の電気代削減

投資(機器、工事費含む:約400万円

投資回収:約10カ月

(事例2)エアパージ量の削減と配管サイズ見直し

(1)改善前

洗浄機のエアパージについては、ノズルを省エネタイプに変更したもののゲージ圧力を目視で確認するだけで流量管理していなかった。
(2)改善後

流量計を設置して、ノズルの流量測定を実施した。
系統(1):毎分1000L
系統(2):毎分800Lであった。

系統(1)、(2)はそれぞれ全く同じ設備であったため、系統(2)に合わせたところ、問題なくエアパージが実施できたため、定期的に流量計で調節した。

配管サイズが細く、圧力損失が大きいことがわかった。口径を15Aから25Aに交換し圧力損失を14kPa削減できた。

(3)削減効果
・エアパージ量適正化
エア使用量削減:毎分200L(12立方m/h)
エア単価:2.5円/立方m
年間稼働時間:7000時間
削減効果:21万円/年
・圧力損失低減化(理論計算上の値)
圧力損失低減:14kPa(突出圧力〔絶対圧〕の2%)
本設備の全体に占める消費量割合:約10%
全体電力使用量:42万円/年

(事例3)装置のエア漏れ対策
(1)改善前

装置の使用量・稼働時間に比して使用総量が多いが、一部装置は終日稼働し音によるエア漏れ発見ができない。また、補修作業と計測機器を導入した場合の費用対効果が導き出せない。
(2)改善後

計測範囲の広い流量計を取り付け使用量把握と装置停止時の漏れ量を測定。測定の結果、装置停止時でも毎分850Lリークしていることを把握できた。

装置の電源が切れるので、まったくエアを使用していないように見えるが、実際には老朽化した電磁弁シール部などからエアが消費されつづけていることがわかった。
(3)削減効果

前記の計測結果から、エア漏れ修復した場合の費用対効果を計算した。
装置数:20台
漏れ量削減可能量:50%
年間稼働時間:6000時間
エア単価:2・55円/立方m
削減効果(想定):765万円
その後の運用内容
・流量積算値を週単位で傾向管理し、装置稼働時の積算流量値が基準値を上回ったものを即時補修
・各装置にエア漏れ計測用流量計を取り付け、装置非稼働時に基準値を上回った場合、次回の補修対象とする(1)エア管理用メータMCF エア配管ヘッダや分岐配管の使用量把握とエア漏れ発見に適合する流量計である。 特長 ・50:1の広い計測範囲によりエア漏れ発見が可能 ・瞬時、積算の本体表示機能 ・多数設置時にシステム構築が容易なModbus通信(オプション装着可) ・電気工事が不要な電池式もラインアップ 概略仕様 ・口径:8A、15A、25A、40A、50A ・接続:Rcねじ、Gねじ、NPTねじ ・電源:DC24V、電池(形番により選択) ・出力:DC電源タイプ:4‐20mA+パルス出力 電池駆動タイプ:パルス+バッテリアラーム出力 Modbus通信タイプ:RS‐485通信のみ (2)エア管理用フローメータ「AIRcube」 大元エア配管やヘッダ分岐後の使用量把握に適合する流量計である。 特長 ・差圧・静圧センサ、温度センサを一体化し高精度な質量流量測定が可能 ・瞬時、積算、流速、圧力、コストなど充実した表示機能 ・短い直管部長さにより、省スペースでの設置が可能 概略仕様 ・口径:50A、80A、100A、150A ・接続:JIS10Kフランジ ・電源:AC90~250V ・出力:4‐20mA+パルス出力当社では、本稿のみならずユーザの省エネルギーに貢献可能な様々なメニューを取りそろえている。今後も、ユーザのさらなる省エネルギー促進に貢献できるような製品開発を推進していく所存である。 【筆者=株式会社山武 アドバンスオートメーションカンパニー マーケティング部 福浦宣幸氏】

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