分岐点

2010年4月28日

春や秋の心を和ませる期間が短く感じられ、四季がかすれてきたように思える。5月を目前にしながら、夜間の冷え込みは暖を取りたくなるほど。緊張の解れる時間が短くなる現象は、業界にも見ることができる。安定成長期が僅かになり、上下動が間断なく襲う。緊張の連続である▼この5月からガソリンが一斉に大幅に値上がりする。樹脂、銅、鉄鋼など原材料も価格引き上げを実施する。原材料の高騰はほぼ3年毎に現れる。2004年は原油、鉄鋼などが98年に比べ2・5倍になった。そして、記憶に新しい07年から08年にかけての世界的規模による急騰である。大不況に突入した▼先を思うと嫌な気分である。前回は原材料費の上昇を中間財で吸収させられ、消費財は上がっていない。中間財の制御機器業界は、この期間に苦渋を飲まされた。ただ、救われたのはメーカーの値上げを受けた流通段階でユーザーに対し、利益幅を削ってまで販売するところが少なかったことである▼需要が回復傾向とはいえ、国内FA市場は8割の水準しか戻らないといわれる。需要不足の中で、制御機器各社は値上げに踏み切らざるを得ない厳しい経営環境にある。ある商社の社長は「値上げは仕方がない。当社は受け入れない顧客には販売しない」と売り上げよりも利幅を優先する決意が固い。