分岐点

2010年2月3日

定年退職した方と会った。悠々自適の生活と思っていたが、ノートを見てびっくり。図式がいろいろ書き込んであり、忙しさを楽しんでいる様子である。平日の夜や土曜日の昼間、小さな会社同士が取り組んでいる新製品開発の現場にいることが多い。何よりも面白い時間だという▼なぜ夜なのかと聞くと、通常の仕事をこなしたあと、職人兼経営者が好き勝手に集まり喧々諤々(けんけんがくがく)しながら試作するからだ。そこに顔を出し、一緒になって取り組むが、「仕事」との感覚はなく、時にはいつ帰ってくるのかと家族から携帯電話にかかってくるほど時が経つのを忘れて遊んでいる、とは本人の弁▼
市場を創り上げてきた年配者にこのタイプが結構多い。一種の自由人なのか、束縛されるのを嫌いながら、なおかつ知恵を使い何かしら役に立ちたい思いが強いのであろう。本人はその行為を〝寿樂〝と表現した。もっとも、当然のことながら「好きなこと」を自覚し新しいことに取り組んでいる▼産業の分散が始まった。モノ創りでも販売でもいろいろな課題が出てきそうである。ある経営者は「自分の課題をつくり解決の道筋を立て実行できる世の中に生きられるのは幸運であるといえる人材は、好きな仕事に対して深い思考ができ苦役と考えないので成長する。昔も今も変わらない」という。