
日清製粉は、岡山県倉敷市の臨海部に建設を進めていた業務用小麦粉の新工場「水島工場」が完成し、本格稼働を開始した。総工費は約180億円。同工場は、これまで培ってきた技術に加え、IoT、AI、ロボットなどを駆使した「スマート工場」となり、同社の国内外工場のロールモデルとなる。
水島工場は、生産ラインの調整や副資材・製品の搬送から、データの収集・分析、生産計画策定に至るまで広範囲な業務で自動化を実現。数年以内には一定の時間、無人でオペレーションできる工場を目指す。また将来的には水島工場で実装した最新技術を国内外の工場に展開し、全社的に生産性を20%以上の向上を目標とする。
環境面では、太陽光発電設備や省エネ設備を導入し、非化石証書を活用することで使用電力の100パーセントを実質再生可能エネルギー化し、カーボンニュートラル工場として脱炭素社会の実現に貢献する。
立地も最適で、国際バルク戦略港湾に指定されている水島港の主要サイロに隣接し、大型船の直接接岸が可能。これにより原料小麦を効率的に調達できる。また、高速道路にも近く、製品のスピーディーな配送が可能となる。
水島工場の設備能力は、1日あたり小麦挽砕能力が550トン(2ライン)、小麦粉サイロ収容力は4200トン、立体自動倉庫収容力は20万袋(5000トン)。水島工場の稼働に伴い、既存の岡山工場(岡山県岡山市)は2025年7月に、坂出工場(香川県坂出市)は同年9月に閉鎖を予定している。