北陽電機(大阪市中央区常盤町2―2―5、TEL06―6947―6331、尾崎仁志社長)は、測域センサの事業拡大を図る。現在、同社の全売上高に占める測域センサの売り上げ比率は38%だが、今後、屋外用途などを中心にアプリケーションの拡大を図り、早期に45%まで高める。 同社の測域センサ(レンジ・センサ)は、発売以来約10年が経過、ロボット分野からスタートし、現在では制御機器分野から建設関係や高速道路など屋外用途にもアプリケーションが拡大している。アイテム数も拡大しており、セーフティレーザスキャナ、データ出力タイプ、エリア設定タイプを中心に事業展開を行っている。 データ出力タイプは、自律移動型サービスロボットの障害物回避や人検知用途に市場を拡大している。特に、世界最小クラスの小型軽量測域センサは量産化に成功し、サービスロボットの周辺環境認識や自己位置推定に需要を伸ばしている。 30メートル・270度という広範囲スキャンを実現したタイプは、屋外ロボットにも使用されており、スキャン時間28msの高速測距タイプは、高速で移動するロボットの障害物回避や経路計画用途に需要を伸ばしている。 一方、エリア設定タイプは、受光感度をアップさせるとともに長距離検出を可能にし、建設現場でのレーザバリアなどに採用されている。レーザ光を採用したタイプは精度がアップ、制御機器向けにシェアを伸ばしているほか、赤外LED式のスキャン型は、従来の反射形センサでは実現できなかった詳細な検出エリアを可能にしている。 測域センサのアプリケーションは年々拡大しており、昨年は意欲的に拡販を行った結果、上期の同センサの売り上げは前年同期比47%増と大幅に伸びた。全売上高に占める比率も、前期の28%から10ポイントアップし確実・順調に成長して、データ伝送装置とともに、同社の中心製品に成長している。 同社は、測域センサに関して新しい要素技術の開発も同時に行っており、今後は高速道路分野など屋外用途向けにも注力する方針である。さらに、グループ会社であるタイヨー電機との技術交流を深め、3D化技術とのコラボなどの相乗効果を出していく方針である。 尾崎社長は「測域センサは、使用する側は使いやすく、開発する我々にとっては付加価値が追求しやすい製品で、どちらにとってもメリットがあり大きな手応えを感じている。中期計画での売り上げ目標は100億円だが、来期は測域センサに期待して、50億円を目指す」としている。