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- 2014年3月12日
【FAトップインタビュー】三菱電機、待望のHMI新製品「GOT3000」人と設備、情報をつなぐ”製造現場の顔”の進化とは?


日本の製造現場において、長年「装置の顔」として親しまれてきた三菱電機のHMI・表示器「GOT(Graphic Operation Terminal)」。その最新シリーズとなる「GOT3000」がリリースされた。
GOT3000は、単なる表示器という枠を超え、OTとITの融合や現場の課題解決、デジタルマニュファクチャリングの実現に向けたスマートデバイスへと進化した。DXが急速に進む中、GOT3000はどのような進化を遂げたのか。三菱電機 名古屋製作所 HMIシステム部 HMIシステム企画グループ グループマネージャーの水口 武士 氏と、HMIハードウエア開発課 課長 砂押 貴之 氏、営業部 HMI課 浜島 裕太 氏、FAシステム事業本部 グローバルマーケティング推進プロジェクトグループ コントローラ部 戦略企画グループ 前嶋 翔太 氏に話を聞いた。
シーケンサの「顔」から装置・現場の「顔」へ
――はじめに「GOT3000」のコンセプトからお聞かせください
GOT3000のキャッチフレーズは「人とつながる、設備につながる、情報がつながる」です。GOTが目指すべき姿として思い描いているのは、人と設備、情報システムの間を取り持つインターフェースです。GOTがこれらの中心に位置することで、お客様のものづくりに貢献したいという思いを込めています。
具体的には、人と設備・モノ、情報の3つの軸に、5つのキーワードに沿ったソリューション、機能・性能強化を行いました。「人」に対しては「基本性能の向上」と「画面設計の効率化」を、「設備・モノ」に対しては「FA機器との親和性」を、「情報システム」に対しては「上位機器との接続」と「セキュリティ強化」を行いました。
――GOTをはじめHMI・表示器は、以前はタッチパネル式の表示・操作デバイスという認識でしたが、最近の進化を見るとそのイメージに収まりきらない印象です
そうですね。GOTの歴史を振り返ると、90年代のHMI市場形成期の1998年に当社もGOT-A900/F900を発売し、当時は「シーケンサの顔」として制御盤のデジタル化、ハードスイッチの置き換えがメインでした。2004年の「GOT1000」では、シーケンサだけにとどまらず、インバータや他社機器との接続性を高めて「シーケンサの顔」から「装置の顔」へと進化しました。
さらに2013年の「GOT2000」では、スマートフォンのような民生技術も積極的に取り入れ、Webサーバ機能やモバイル連携を強化して保全業務の効率化を提案しました。ちょうどIoTやスマートファクトリー、デジタル化の黎明期と重なり、見える化や機器間の情報連携が注目されていた時期です。
そして2020年代に入り、IT技術がさらに進歩してクラウドやIoTが普及し、ITとOT、上位システムと製造現場のシステム連携が重要となるなかで、お客様のものづくりにどうデジタル技術をどう取り込んでいくか、DX対応をどうするかという「デジタルマニュファクチャリングの実現」に応えるべく開発しリリースしたのが、この「GOT3000」となります。
圧倒的に向上した基本性能と「スマホライク」な操作感
――実際に触ってみると、反応の良さが良いですね
ありがとうございます。「人」に着目すると、年々画面データがどんどん大きくなり、GOTの機能もどんどん増えているなかで、メモリ容量を気にせず使えるというのはお客様にとって大切な要素です。また昔は1台のシーケンサに1台のGOTでしたが、いまは複数のシーケンサの情報を1台のGOTで扱うようになり、収集するデータも表示する情報量も増えてより見やすさが大事となっており、モニタ性能の重要性も増しています。
そのためGOT3000では基本性能を大幅に向上させ、データ転送時間は従来比で約7.5倍高速化し、ユーザメモリ容量もROMで約4.5倍、RAMで3倍に増強しました。モニタ性能(情報の更新速度)も約2倍、起動時間も約1.4倍高速化しています。またフラッグシップモデルの「GT37」ではPCAP(投影型静電容量方式)タッチパネルを採用し、これによりスマホやタブレットに近い直感的な操作感と、非常にクリアで見やすい画面を実現し、見やすく、操作しやすく、ストレスフリーな使い心地となっています。
このほかGOT 3000と大型モニタをHDMIで接続して、GOT本体さえあれば簡単で安価にデジタルアンドンシステムが構築できたり、汎用的なUSB接続のWEBカメラやネットワークカメラとGOT 3000を接続するだけでトラブル発生時の前後を録画・再生できるレコーダ機能を作れたりという使いやすさを助ける機能も備えています。
――画面も綺麗ですし、中身もアニメーションなどで見やすいです
作画ソフト「GT Designer3」もGOT3000に合わせて強化しています。画面の作りやすさはそのままに、「見れば誰でもわかる」直感的なデザインの実現を目指しました。例えばアニメーション機能を強化し、従来はアニメーションを作ろうとすると静止画をパラパラ漫画のように切り替える手間が必要でしたが、GOT3000ではライブラリにアニメーションのパーツが登録されてあり、そこから選んで貼り付けるだけで簡単にアニメーションが作れます。
近年の熟練工の不足やグローバル化が進むなか、単に画面の文字や数字情報を翻訳するだけでなく、アニメーションの動く絵で分かりやすく状況を伝えることは、見逃し防止やトラブル解決の迅速化につながってきます。これは「人に優しいエンジニアリング」という、私たちが非常に大切にしているポイントです。

セキュアで安心してつなげるネットワーク機能の強化
――ネットワーク機能の強化についてはいかがでしょう?
設備・モノに対してはFA機器との親和性を高め、情報システムに対してもネットワークや接続性、セキュリティを向上させています。近年はWEBサーバ機能を持つFA機器が増えており、今回GOT 3000ではWEBブラウザを搭載し、わざわざ画面を作成しなくても接続機器のモニタリングや設定が簡単にでき、上位システムの生産管理システムなどへも現場からアクセスできるようになっています。
――接続性が増したということで、セキュリティの強化はどうですか?
そこも万全な備えを整備しました。GOTは上位システムと下位システムの中間に位置するゲートウェイとしても機能し、コントローラや周辺機器を含めてモニタリングするため、OPC UAサーバ+クライアントの両方に対応し、OPC UA非対応機器でもGOT経由でセキュアに上位システムとの連携が可能です。
VPN機能もソフトウェアで実現しており、物理的なVPNルーターを追加することなく、セキュアなリモートアクセス環境を構築できます。
――そのほか強化した点はいかがでしょう?
新製品としてやはりお客様が気にされるのが置き換えや互換性ですが、GOT 3000はそこも万全です。お客様が作られたGOTの画面データは大事な資産です。そのためGT Designer3では旧画面(GOT2000)を開くだけで自動でGOT 3000用に変換して使えるようになっています。
またパネルカット寸法もGOT2000から変わらず、拡張ユニットや接続ケーブルも流用でき、置き換えがしやすいようになっています。
これからの機能強化も予定&ソフトGOTにも期待
―― 最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
まずは既存のGOT2000をお使いのお客様には、スムーズに3000シリーズへ移行いただけるよう、互換性も万全に整えています。実際にデモ機を見て、触れていただければ、その進化を確信していただけるはずです。また今は他社製品を使っているお客様にも価値を感じ、GOT3000を採用していただけるように販売・サポートにも力をいれていきます。
製品面では、GT37以外にも、GT25やGT21の後継機種などラインナップを揃えていく予定です。今回のリリースでは盛り込めなかった機能もあり、やりたいと思っていたことがすべてできていないのが実態です。これから機能拡充を進めていき、お客様に貢献していきたいと考えています。
それと、今回はあまり話せませんでしたが、Windowsパソコン上で動くソフトGOT「GT SoftGOT3000」の今後の展開に期待しています。
GT SoftGOT3000は、主に現場から離れた事務所や統合監視用に使われますが、Windowsアプリケーションの特性を活かしてExcelやお客様の自作アプリケーションとも簡単に連携でき、ハードのGOT 3000とは違う、ソフトならではの良さや特長があります。色々と応用できる可能性は大きく広がっており、様々なチャンスがあると思っているため、その辺りも含めてGT SoftGOT3000もこれから強化を検討しております。https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/topics/2025/12_got/index.html