ワゴジャパン 代表取締役社長 森本直幸【新社長トップインタビュー】FAとインフラの二軸で“選ばれ続けるベストパートナー”へ「製品愛」あふれる社内文化と信頼を強みに

ワゴジャパンは2026年年始から、代表取締役社長として長年同社を率いてきた原田秀人氏が退任し、森本直幸氏が後を引き継いだ。森本氏は、日本のHMIメーカーでキャリアをスタートし、アジアを中心に各国に赴任して営業責任者を務めるなど、海外経験が豊富。これからワゴジャパンをどう導いていくのか。話を聞いた。
アジアの最前線で磨いた「現場感」とグローバル・マネジメント
――はじめに、これまでのキャリアについて教えてください
新卒で日本のHMI、表示器メーカーに入社し、その後、会社が外資系企業に買収されることとなり、キャリアの多くを海外、特にアジア圏で過ごしてきました。2007年から約6年間は中国で営業責任者を務め、その後、タイを拠点に東南アジア全域で3年ほど統括責任者を担ってきました。そこから一度日本に戻って海外事業を4年ほど担当した後、コロナ禍直前の2020年にベトナムへ渡り、ベトナム・フィリピン・カンボジアの3カ国統括のインダストリー部門でVP(バイスプレジデント)として2022年まで赴任。その後は日本に戻り、インダストリーサービスとソリューションセールスのDirectorを務めていました。
海外では言葉の壁に苦労することもありましたが、一方で現地での経験を通じて、現地の優秀なエリート層と働き刺激を感じました。彼らにとって大きな外資系企業で働くことは非常にステータスが高く、意欲も能力もとても素晴らしかったです。そうした多様な価値観の中で「どうガバナンスを効かせ、ビジョンを共有するか」を学んだことは大きな糧になっています。
――キャリアとしては主に営業畑が中心です
もともと高校時代までは野球一筋で、スポーツ推薦で大学進学が決まりかけていたのですが、土壇場でその枠がなくなり、そこから一念発起して浪人生活を経て猛勉強の末に英文学科へ進みました。大学では「4年後には英語を話せるようになる」と目標を決め、当時はまだなかった留学制度を自治会や教授を巻き込んで立ち上げ、イギリス留学を実現し、学生時代に英語を話せるようになるという目標を達成しました。
FA業界に入ったのも偶然で、大学内で企業参加型の就職セミナーに参加している時、就職活動をしている時、語学を活かした仕事を探すなかで、たまたま「海外営業」という言葉に惹かれて説明会を聞き、応募したところ、役員との面接の際、会話はすべて英語で行うという無茶振りにも必死に食らいついたところを評価していただきました。
文系なので当時から技術的な知識はなく、「IOとは何か」「アナログとデジタルの違い」「プロトコルとは」というところから勉強して身につけました。ただ、理系出身ではないからこそ、複雑な技術を分かりやすい言葉に翻訳する力となり、顧客へ価値を提案する際に役立っています。
ワゴが持つ「製品愛」と、前任者から引き継ぐ「信頼のバトン」
――ワゴに入社したきっかけは?
外資系企業の日本法人では、経営や事業部トップの予期せぬ交代に伴って企業文化や方針に大きな変化が生じる場合があります。
それに対しワゴジャパンは立ち上げから丁寧に文化を引き継いで今に至っています。それは先駆者である弊社原田(前社長)の功績がとても大きく、そこに強く惹かれ、私もそこに貢献したいと思ったというのが大きな要因です。原田と対話を重ねる中で、彼がワゴジャパンで長年かけて築き上げてきた会社を引き継ぎ、そのバトンを受け取り、お客様と共に更なる成長を遂げ、次に繋げていくという責務を背負うに値すると感じたことが決め手となりました。
また入社後、多くの社員と話をして、皆の「製品愛」を感じました。
社員と製品との関係性が近いからこそ、厳しいことを言いつつも、その上で製品の良い点を理解し自社製品・サービスを語るのは、まるで家族のことを話すようです。
この自社製品とサービスへの想いは、お客様に安心と信頼を届ける上での絶対的な強みになると確信しています。
FAとBA、インフラの3領域で基盤強化
――今後の事業戦略について
ワゴといえば「制御盤の中の端子台」というイメージが強く、確かに盤内機器は強固な基盤ですが、それは当社の持つポテンシャルの半分に過ぎません。今後は「オートメーション(FA)」と「インフラ(ビル・エネルギー等)」の二軸をさらに強化していきます。
現在、日本のFA市場は踊り場にありますが、一方でビルディング・オートメーション(BA)市場は再開発やリニューアル案件で非常に活況です。ワゴのコネクタやコントローラーは、人手不足に大きな課題に直面している建設業の中で照明制御や空調管理において圧倒的な施工省力化を実現します。特に電気工事士不足は深刻な問題です。ワゴのスプリング接続技術や、差し込みコネクタやハーネスを使えば、熟練工でなくても「速く、確実に、安全に」結線ができる。これが、工期の短縮やメンテナンスコストの削減に直結します。
また、当社の製品は新幹線や船舶、信号機の接続ボックスなど、高い信頼性が求められるインフラの至る所でも採用されています。特定の業界の景気に左右されず、複数のセグメントで「底堅い」ポジションを築いているのが当社のユニークな点です。
お客様にとって「選ばれ続けるベストパートナー」へ
――最後に、今後に向けたメッセージなど
ワゴは単なるコンポーネントメーカーではありません。お客様が抱える「人手不足」「カーボンニュートラル」「生産性向上」といったさまざまな課題に対し、現場から解決策を提示できるパートナーでありたいと考えています。
私自身、これまでのグローバルな経験を活かし、WAGOの優れた技術で日本の成長に貢献していきたい。ワゴがお客様にとって「なくてはならない存在」「選ばれ続けるベストパートナー」になるよう、現場主義を貫き、全力を尽くしていきます。https://www.wago.co.jp/
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