働いて働いて働いて、支え合い支え合い支え合う 共創と調和の時代の働き方

2025年の流行語大賞に、高市早苗首相の発言に基づいた「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」が選ばれた。

労働や仕事、働くことを前向きに捉えた言葉にフォーカスが当たったのは久しぶりだ。1980年代には「24時間働けますか」という極端な労働賛美の思考があり、その後に長時間労働や過労死が社会問題化した影響から、2000年代頃から「ニート」「働いたら負け」「ブラック企業」などの言葉が流行り、働くことの重みが失われていった。バブル崩壊から2020年代までの日本経済は失われた30年と言われるが、人の意識が労働や経済成長に向いていなかったのだから結果は当然だ。しかし今回、働くことに対するイメージが再び大きく覆り、停滞や後ろ向きから、ようやく前を向いた。正しく働くことを評価する時代になった。再成長に期待が持てるようになった。

今回の「働いて〜」が流行になってからの世間の反応が面白い。働き過ぎを助長する、ワークライフバランスを軽視している、時代錯誤だなんて意見もあるが、その一方で「毎日、一生懸命働いていることに自信が持てるようになった」というサラリーマンや、「『働く=会社で仕事をする』だけではない。日常の色々な活動も『働く』の一種であり、子供のために一生懸命働きます(子育てを頑張ります)」といったママさんの声もあって、「前向きに日々の生活を頑張ること=働く」といったイメージで捉える人も多くいて驚いたと同時に心強さを感じた。何かを得る、何かを為すためには前向きに頑張っていくのが王道だ。そんな風潮が感じられ、少しジーンとしてしまった。

私たちは誰しもが何かしらと関係し合い、支え合って生きている。社会はギブアンドテイクで成り立っている。「働く」というのは、自分もその支え合いのひとつの役割を担うことだ。令和またはこれからの時代は、競争より共創、争いよりも調和が重視される時代。独りよがりでは決して成立しない。自分なりのやり方で働き、人と社会を支え、貢献する。そうすることで他人の働きが自分に対する支えとなって返ってくるのだ。働こう。働くことに自信を持とう。明るい未来を作るには、皆で前を向いて一歩ずつ進んでいく、働いていくしかないのだから。

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