経産省とNEDO、生成AI開発を支援する「GENIAC」第3期支援先を決定 ラダー自動生成、現場の知見継承の生成AI開発など採択

経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、生成AIの開発力の強化を支援するプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」について、これまでに第1期、第2期と基盤モデル開発を行う企業に対して支援を行ってきた。このほど第3期の開発支援先として24件のテーマが選出され、うち3件がFA製造業に直接関連するテーマが採択された。

今回採択されたFA・製造業に関連するテーマについて、1つ目はAirionの「PLC 制御におけるラダープログラム生成用大規模言語モデルの研究開発」。PLCのラダープログラムを生成AIを使って自動で生成できるようにし、設計・開発工数の大幅削減を目指すもの。ラダープログラムが書ける技術者が減る一方で、ラダーは機械の標準言語として今も主流として使われており、そこのギャップを生成AIを活用して埋めていこうとしている。
具体的には、工場設備の動作に関する仕様を言語で入力し、ラダープログラムを出力する30B程度のパラメータのLLMを開発する。ラダーと一対一対応する機械語を生成し、欧州で主流のST言語による制御の自動化AIを上回る精度を目指すとしている。
2つ目は、ストックマークの「暗黙知の抽出を目指した業界特化のドキュメント読解基盤モデルの開発」。製造業を対象とした情報密度や専門性の高い複雑なドキュメントを読解するための30B規模の視覚言語基盤モデルを開発し、製造業を含むビジネスドキュメントのベンチマークで世界最高性能を目指すとしている。
3つ目が、リコーによる「ドキュメント群の高度な解析を通じて知の活用を支援するマルチモーダルLLM」。熟練技術者の引退などでこれまでに培われてきたものづくりの知の継承が危機的状況に陥ってるのに対し、それをドキュメント解析を通じて知の承継と活用を支援するモデルを開発をする、具体的には、複雑な図表を含む文書画像から情報を抽出、解析して判断するマルチモーダルリーズニング性能を獲得し、且つ運用コストを大きく削減するよう高効率化したモデルを開発。さらにその開発コストを削減するための開発プロセスの確立も行なっていく。

https://www.meti.go.jp/press/2025/07/20250715001/20250715001.html

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