信越化学工業は、医薬セルロース事業の強化に向け、日本と欧州(ドイツ)で積極的な投資を実施する。
国内では、直江津工場(新潟県上越市)で錠剤コーティング剤や結合剤として広く使用される医薬用ヒプロメロース(HPMC)の生産設備を増強する。供給能力の向上とBCP(事業継続計画)の強化を図り、2026年夏の完了を目指す。
欧州では、ドイツ・ヴィースバーデン市に新たな技術拠点「ファーマ・テクニカルセンター・ヨーロッパ」を2025年10月に開設する。最新の製剤関連機器を導入し、専門技術者が顧客の処方検討や製剤試作を支援する。特に注目される連続生産や乾式コーティングといった新たな製剤技術への対応力を強化し、欧州市場における顧客サポート体制を大幅に向上させる。