村田製作所、スマートファクトリー化・製造業DXに関する調査 製造業の2割強が取り組みを開始 8割が効果を実感 トップの理解と、現場理解度の高い専門部隊の働きがカギに

製造業のDX基盤として現在も取り組みの強化が進んでいる自社工場のスマートファクトリー化。実際はどこまで進み、現場はどのように感じているのだろうか?
村田製作所は、製造業従事者500人にスクリーニング調査を実施し、スマートファクトリー化を実施している企業はまだ2割強で、実践している人の86%が効果を感じていることが分かった。また成功の要因はトップの理解と専門部隊の設置と彼らの現場理解がカギを握っているとした。

「デジタル技術(IT/OT)の活用によって業務プロセスの改革や生産性・品質の向上を継続的に行う工場」をスマートファクトリーと定義し、その取り組み状況についてインターネット調査を行った。調査は製造業従事者1万1084人に対して行われ、うち自社のスマートファクトリー化に携わっている500人に対してより深い内容を聞く形で行われた。

製造業従事者全員に向けて取り組みを行っているか聞いたところ、「実施している」が22.9%で、「実施していない」が61.9%。実施者に対して取り組みのきっかけを聞くと「生産性向上」が58.8%、「コスト削減」が54%がトリガーとなって取り組みを開始している。
具体的な取り組み内容は、「デジタル技術の活用により業務の標準化やノウハウの見える化の精度を向上させ、技術継承に役立てている」が最も多い47.6%。僅差で「製造プロセスで収集したデータを品質向上に活用している」47.4%、「デジタル技術(IT/OT)を活用して設備稼働率改善や生産プロセス短縮を行っている」が46.0%と続いた。
その成果については86.0%が成果を感じていると回答。反対に成果を感じていない側は「データ分析・予測」や「データ収集・蓄積」でつまづくケースが多かった。
スマートファクトリー化を前進させることができた要因は「トップの理解」が67.7%で最も多く、「専門部隊の設置」が53.0%と続いた。逆に進めるにあたっての障害は、「専門的な技術者や人材がいない」が55.7%、「費用対効果が示せない」が45.7%と多かった。
スマートファクトリー化を進めるにはどうすればよいか?(自由回答)では、「専門の部署をつくる」「トップダウンによる推進」「専門家による教育」「経営者の断固たる決意と推進」「投資費用を節約しない。専門部隊で検討する」など、経営トップの後押しと専門部隊の組織化と適切な投資が必要との声が多かった。一方で、「専門部隊をつくっても、実務に詳しくないため迷惑」「現場を知らないため、何を変えたらいいのかわかっていない」など、専門家の現場業務の無理解を指摘する声もあった。

調査を実施した村田製作所でもスマートファクトリー化に取り組んでおり、福井村田製作所では。現場のスペシャリストで専門チームをつくってビジョンを描き、上位層や会社全体に実績を伝えて会社全体を巻き込み、小諸村田製作所では、個別に取り組んでいたメンバーを集めてDXチームを作り、専門チームと現場コミュニケーションで工場全体のスマートファクトリー化を進めているという。

https://www.murata.com/ja-jp/news/other/other/2023/0328

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