主要FAメーカー、2023年3月期上期決算まとめ 設備投資需要が旺盛で受注好調 懸念は原材料費・物流費の高騰 通期は売上は上方修正も利益は据え置き

FAメーカー各社の2023年3月期上期の状況は、製造業の自動化需要・設備投資は旺盛で、受注・売上高は好調に推移している。しかしながら部材不足は継続し、原材料価格と物流費も高騰し、利益を押し下げている。下期は受注は継続し増収は確保できそうな見通しだが、部材不足は解消に向かっているとは言えど本格回復はもう少し先で、原材料費も高止まりしており、利益面では難しい状況は続きそうだ。

三菱電機のFAシステム事業は売上高4059億円(7.8%増)、営業利益は623億円(0.5%減)。半導体・電子部品などデジタル関連分野やリチウムイオンバッテリなど脱炭素関連分野での設備投資を中心に国内外で需要が堅調で受注・売上ともに増加。通期予想は、売上高を増加に上方修正した。

オムロンの制御機器事業(IAB)は、売上高は11.4%増の2301億円、営業利益は2.4%減の391億円。1Qは上海ロックダウンの影響を強く受けたが、2QではEMSに生産を委託して供給量を増やしたほか、中国以外の日本国内での並行生産や設計見直し等による部材調達力の強化を進めて大きく改善。通期予想は売上高・営業利益・純利益ともに上方修正している。

富士電機はパワエレエネルギー、半導体、食品流通が営業利益を牽引。パワエレ インダストリーは売上高は1502億円(7%増)、営業利益は11億円。増収だが、素材価格高騰や部材調達難による生産減等の影響が響いて減益となった。通期予想は期初から上方修正し、売上高は9850億円(8.2%増)、営業利益は870億円(16.3%増)、純利益は595億円(1.4%増)とした。

安川電機は、モーションコントロール事業は半導体や米国のオイル・ガス関連の積極的な設備投資で増収となったが、中国のロックダウン影響、原材料費や物流費の高騰で減益。ロボット事業はEV化にともなうリチウムイオン電池生産設備と、半導体向けロボット、食品産業などでの人協働ロボットの活用等が進んで売上・利益ともに押し上げた。通期予想は売上高を上方修正したが、原材料費や物流費の高騰により営業利益と純利益は下方修正した。

横河電機の制御事業は受注高は2466億円(プラス669億円)、売上高は1931億円(プラス215億円)と受注・売上ともに好調だが、営業利益は122億円(マイナス16億円)と減益。測定器事業は、受注は159億円(プラス43億円)、売上高は11億円(プラス10億円)、営業利益は16億円(マイナス1億円)で、受注・売上ともに増加したが減益となった。通期予想は上期の好調な受注を踏まえ、売上高・営業利益・純利益いずれも上方修正している。

アズビルのAA事業は、部品調達難の影響を受けたが生産・調達面の対策を通じて2Qから徐々に回復し、売上高は0.8%増の461億6300万円、セグメント利益は部品価格高騰の影響を受けて22.5%減の54億1400万円の減益となった。通期予想では、設備投資の継続と生産能力強化の成果を見込み、売上高と純利益を上方修正した。

IDECは、デジタルと自動車、工作機械、ロボットなどの需要増を背景に、スイッチ事業と安全防爆事業を中心に売上が増加して増収増益。国内は半導体関連・自動車関連・工作機械・ロボット業界等の需要が堅調で、海外も中国上海でのロックダウンによる影響もごく一部にとどまり、全エリアで大幅な増収となり、為替の円安効果も加わって大幅な増収となった。通期では、日本と欧米、アジアの主要市場での増収効果が原材料価格の高騰を上回ることから、売上高・営業利益・純利益を上方修正している。

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