
オムロンは、キリングループの飲料検査機器大手のキリンテクノシステム(KTS)に出資し、検査データを活かした飲料品製造業界のDXに向けた市場に参入する。キリンビールが保有しているKTSの発行済み株式のうち60%をオムロンに譲渡することで、持分比率はオムロン60%、キリンビール40%となる。社名もオムロンキリンテクノシステムに変更する計画となっている。
KTSは、キリンビールのエンジニアリング部門から独立した検査機メーカー。1970年代に、いち早くCCDカメラを用いた高性能びん検査機を開発し、国内の飲料検査機市場で高いシェアを持っている。飲食料品を中心に、医薬や容器製造など幅広い業界で事業を展開している。
現在、飲料品製造工程では容器製造、飲料充填、ラベリング、キャッピング、梱包といった各工程の後に検査機を使った検査工程があり、それぞれが別個に良品・不良品とその原因を分析し最適化を図っていた。それに対し各検査機のデータを同社の制御コントローラでまとめて管理しAIを使ってデータを分析し、最適な制御として製造装置にフィードバックすることで、高度な品質トレーサビリティと、不良品を作らないゼロディフェクト、突発停止を未然に防ぐラインイベントゼロを実現したいとしている。