【2021年工場立地動向調査】底から脱却増加転じる 製造業 国内回帰へ新たな設備投資も期待

2021年8月に完成した福島県のロボコム・アンド・エフエイコム南相馬工場

コロナ禍から続くサプライチェーンの混乱や世界情勢の悪化を背景とした部材の価格高騰や納期遅延問題に対し、世界各国に散らばった製造業の工場の国内回帰と、それによる新たなサプライチェーンの構築、国内企業へのビジネス波及効果への期待感がこれまでになく高まっている。実際に、経済産業省がまとめた「2021年(1月-12月)工場立地動向調査」によると、日本国内での工場・研究所の建設を目的とした用地取得は、ずっと減少傾向が続いていたが、21年は増加に転じた。コロナ禍での大混乱によって20年が底だった可能性は大いにあるものの、コロナ禍前後では市場環境も先行き見通しも大きく変わっていることから、国内回帰する工場の増加、新たな設備投資への期待も膨らむ。

経済産業省がまとめた「2021年(1月-12月)工場立地動向調査」によると、2021年中に日本国内で工場・研究所の建設に向けて新たな用地取得が行われた件数は、2020年から27件増加(3%増)の858件となった。取得された面積も128ha増加(11%増)の1万2827haと拡大した。

業種別では、2021年の立地件数は食料品製造業131件(18件増)、金属製品製造業117件(12件増)、輸送用機械製造業86件(27件増)などが増加。一方で、化学工業41件(9件減)、生産用機械製造業81件(19件減)などが減少した。

面積は、食料品製造業2013ha(921ha増)、金属製品製造業1064ha(310ha増)、はん用機械製造業677ha(418ha増)、輸送用機械製造業1444ha(883ha増)などで増加した。

リーマンショック前後からの15年間の時系列で見ると、リーマンショック前の2007年の用地取得件数・面積は、全体で1791件・2万7407haだったが、リーマンショック直後の2009年に867件・1万3426haと半減。そこから少しずつ戻してきて、好景気だった2017年に1070件・1万4839haまで拡大したが、2020年にコロナ禍を受けて831件・1万1549haと後退してどん底となり、2021年は858件・1万2827haに回復して底を脱した。

今後は2017年レベルの1000件・1万5000haが当面の目安となり、さらにリーマンショック前の1500件・2万haレベルに近づけるかがものさしとなりそうだ。

福島県 面積全国1位に

地域別立地件数・面積

北海道は19件(2件減)・46.8ha(111.9ha減)となり、立地件数、面積ともに減少。

業種別では、食料品が8件、飲料・たばこ・飼料、家具・装飾品、鉄鋼、電気・ガス・熱供給で2件、木材・木製品、化学工業、金属製品で1件ずつの立地があった。

東北地方は、88件(8件増)・217.1ha(124.3ha増)となり、立地件数、面積ともに増加。

県別では、山形県が26件(6件増)・26.7ha(3.1ha増)、福島県が23件(8件増)・125.3ha(103.4ha増)、青森県が17件(13件増)・12ha(7.1ha増)となり、前年を上回った。特に福島県は面積が大幅に増加し、全国ナンバーワンとなった。

業種別では、電気業と金属製品が14件で並び、食料品(12件)、生産用機械(10件)となった。ずっと食料品が上位に位置しているが、19年以降は電気業が増加してきている。

関東地方(関東甲信越・静岡県)は、310件(6件減)・422ha(10ha増)となり、立地件数は減少、面積は増加。

県別では、埼玉県が40件(18件増)・53ha(35ha増)、新潟県が33件(5件増)・34ha(12ha増)、長野県が29件(9件増)・39ha(27ha増)と件数・面積ともに前年を上回った。茨城県51件(14件減)・99ha(4ha増)、群馬県49件(3件減)・67ha(15ha増)、静岡県49件(5件減)・72ha(8ha増)は面積のみ前年を上回った。中でも茨城県は件数・面積ともに全国2位となった。

業種別では、1位が食料品の57件(17件増)、2位が金属製品の47件(9件増)、3位が輸送用機械の36件15件増)となった。

中部地方(愛知県・岐阜県・三重県・石川県・富山県)は、152件(5件減)・197.3ha(6.6ha増)となり、立地件数は減少、面積は増加した。

県別では、愛知県が60件(増減なし)・67.5ha(14.9ha減)、岐阜県が50件(4件増)・75.5ha(25.7ha増)、三重県が23件(5件減)・40.7ha(4ha増)、石川県が9件(4件増)・5.4ha(3.8ha減)、富山県が10件(8件減)・8.2ha(4.4ha減)となった。愛知県は件数で全国1位、岐阜県は件数・面積で全国3位となり、製造業が盛んな地域であることを示した。

業種別では、輸送用機械が30件(10件増)、食料品が16件(2件増)、プラスチック製品11件が増加となった。

近畿地方は、146件(18件増)・165.3ha(24.8ha増)となり、立地件数・面積共に増加。

県別では、福井県8件(2件増)・29.1ha(23.2ha増)、滋賀県27件(8件増)・43.8ha(17.1ha増)、京都府15件(1件減)・10.7ha(4ha減)、大阪府12件(3件減)・6.1ha(11.3ha減)、兵庫県48件(9件増)・50.8ha(2.5ha増)、奈良県29件(3件増)・18.6ha(2.1ha減)、和歌山県7件(増減なし)・6.2ha(0.6ha減)となった。業種別では、金属製品が27件、化学が15件、食料品が14件。

中国地方は、28件(7件減)・20.9ha。
県別では、鳥取県が2件(増減なし)、島根県が2件(1件増)、岡山県が11件(1件減)、広島県が6件(4件減)、山口県が7件(3件減)。

業種別では食料品が5件、生産用機械が4件、金属製品、はん用機械、輸送用機械が各3件と続いている。

四国地方は、29件(8件減)。
県別では、徳島県が5件(5件減)、香川県が14件(2件増)、愛媛県が8件(4件減)、高知県が2件(1件減)。業種別では、生産用機械器具が5件、食料品、パルプ・紙・紙加工品、金属製品が各3件となった。

九州地方は、79件(24件増)・140ha(67ha増)となり、件数・面積共に前年を上回った。

県別では、福岡県が21件(5件減)、佐賀県が6件(4件増)、長崎県が件(10件増)、熊本県が16件(9件増)、大分県が4件(2件増)、宮崎県が3件(増減なし)、鹿児島県が18件(4件増)。

業種別では、食料品が16件(7件増)、生産用機械器具が12件(5件増)、金属製品が9件(1件増)となった。
沖縄県は、2件(1件減)。

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