
サーボモータとサーボアンプで構成されるサーボシステムは、フィードバック制御による緻密な制御ができ、半導体製造装置や電子部品製造装置、産業用ロボット、工作機械など高精度が要求される機械産業で広く使われてきた。近年では用途は拡大し、包装機械や食品加工機械、搬送機械のほか、EV等で需要が急速に拡大しているバッテリ・二次電池製造装置等の生産装置に加え、医療機器や介護機器、駅の自動改札やホームドアなど工場以外の場所でも活躍の場が広がっている。
その出荷台数は、この10年を見てもリーマンショックや東日本大震災等の影響で一時的に下がることはあったが、年々右肩上がりに増加している。日本電機工業会(JEMA)によると、ピークは2017年で、出荷台数352万9000台、出荷金額2202億円(国内+輸出)を記録。2018年、2019年は前年までの反動と、スマートフォンや半導体の設備投資の先送り、米中貿易摩擦等で影響で減少傾向にあったが、2020年には回復に転じている。

2021年以降は、世界的な半導体需要に対する設備投資をはじめ、スマートファクトリーに向けたロボットや高度化した生産設備の需要、装置・機械の高速・高精度による生産性向上、稼働状況の監視分析や予知保全など、中長期的にはサーボシステムの需要拡大は続くとみられている。しかし直近の2021年・2022年は、半導体や樹脂、金属材料、コネクタ、ケーブル等の世界的な部材不足と生産の遅れが発生しており、予断を許さない状況にある。