FA・電機制御・機械 主要上場商社 2021年上半期業績

2021年度のFA・自動化業界は、国内ではコロナ禍が落ち着きを見せ、樹脂材料や半導体不足による自動車等の生産の一時停止、制御機器の入手困難と納期遅れという逆風はありつつも、半導体製造装置やロボット、工作機械などの需要は旺盛で、受注は順調に進んでいる。2021年度上半期における主要な電機・機械、FAメーカーの業績は好調。さらに、商流で大きな影響力を持つ流通商社も好調を維持している。

品不足解消でさらなる飛躍も 2018年に迫る勢い

FA・電気制御・機械関連製品を取り扱う主要な上場商社18社の2021年上半期業績を見ると、18社中15社が増収増益。2020年度下期から中国市場の回復を受けて日本国内も回復基調に戻り、それがさらに進んだ格好だ。特に自動車、半導体製造装置、工作機械向け等が好調。

大手に限らず非上場の商社でも同様で、売上高が前年度比50%増という企業も珍しくない。コロナ禍前の好調だった2018年レベルまで来ている企業も多く、例えばスズデンは2018年4月の月次売上を100とした場合、2021年10月は130を超え、過去5年間で最高の月次売上を上げている。

加えて、各社ともに受注が非常に好調で、一部では来年、再来年の受注も入るなど需要は過熱気味。しかしながら半導体不足等で製品が入ってきておらず、受注残が膨らみ、売り上げとの乖離が大きくなっている状況だ。製品不足はメーカー各社も解消に向けて動いており、下期以降に期待だ。

半導体製造装置向け大幅伸長 自動車関連もけん引

上半期で最も大きく売り上げを伸ばしたのは、前年同期比35.6%増となった萩原電気ホールディングス。主要顧客である自動車関連企業では生産活動に影響が出ているが、前年に比べて生産台数は堅調に推移し、自動車向けのデバイス事業が好調。FAシステムやIT機器販売、DXソリューション提案などのソリューション事業も、主要顧客の生産の回復基調を受けて設備投資や情報化投資を取り込み、104億6600万円(9.9%増)と伸長した。

たけびしも28.0%増と好調。FA・デバイス事業が284億5800万円(37.4%増)、営業利益12億9800万円(79.4%増)と絶好調。FA機器が半導体製造装置関連や電子部品実装機関連を中心に大幅増になり、装置システムおよび産業メカトロニクスが5G関連で増加した。

スズデンは、主な販売先である電気機器、電子部品、産業機械業界で生産活動や設備投資需要が持ち直し、半導体や樹脂材料等の部材不足による前倒しでの受注増加や生産増も追い風になり、好調に推移。特に半導体製造装置関連の主要顧客では、半導体メーカーの生産増や設備投資需要の増加を受けて好調を継続。

商品分野別の売り上げは、FA機器がRFID、PLC、リレー等が増加して161億1900万円。情報・通信機器が産業用PC、UPS、ネットワーク機器等が増加して22億1700万円。電子・デバイス機器はコネクタ、スイッチング電源、ノイズフィルター等が増加して33億1700万円。電設資材は端子台、ケーブルアクセサリー、BOX等が増加して50億7100万円となった

立花エレテックは21.5%増の911億400万円で、同期間としては過去最高の売上高を記録。FAシステム事業は、売上高489億5500万円(18.0%増)、営業利益18億3500万円(46.7%増)と好調。特に半導体製造装置および物流関連が依然好調を持続している。さらにコロナ禍での巣ごもり需要で食品関連での設備投資が活性化し、PLC、インバーター、ACサーボが増加。産業機械分野は、工作機械と製造ライン向け自動化設備が伸長。産業デバイスコンポーネント分野は、OA化による情報通信関連機器が伸長。タッチパネルモニターと産業用コネクタが大幅に増加。システム・ロボットも大きく伸長し、鉄鋼プラント向け工場設備案件も獲得するなど大きな成果を上げた。

工作機械ピークに迫る

菱電商事も15.7%増。FAシステム事業は、国内の設備投資は低調だったが、半導体製造装置関連と工作機械向けが好調に推移。売上高は205億1600万円(25.9%増)、営業利益は6億6000万円(389.5%増)と大幅増。エレクトロニクス事業は、国内は車載向けが好調、産業機器関連向けも半導体製造装置・工作機械関連ビジネスが好調に推移して増収。海外子会社で各地域とも売り上げが大きく回復し、特に中国地域の産業機器関連、欧米地域の車載向けの販売が好調に推移し、売上高は719億1900万円(23.7%増)、営業利益は18億2000万円(488.9%増)となった。

サンワテクノスは、売上高14.8%増に加え、営業利益、純利益が大幅に改善。営業利益は134.2%増の21億800万円、純利益も119.7%増の15億5100万円となった。部門別では、電機部門は、産業機械業界向けの電機品と制御機器、半導体関連業界向けの電気品の販売が増加して売上高143億9200万円(33.3%増)。電子部門は、産業機械業界向けと自動車関連搭載向けの電子部品の販売が増加して523億100万円(13.1%増)。機械部門は、半導体関連業界向けの搬送装置の販売が増加したが、FPD関連業界向け設備機器の販売の減少が響き、42億8400万円(10.2%減)となった。

国別では、日本は産業機械向けの電気品、制御機器と電子部品、半導体関連業界向けの電気品および搬送装置、自動車関連搭載向けの電子部品の販売が増加した結果、売上高が542億2200万円(9.7%増)、営業利益11億8700万円(150.4%増)。アジア地域は、産業機械業界向けの電気品と電子部品、半導体関連業界向けの電子部品の販売が増加したが、FPD関連業界向けが減少し、売上高228億1000万円(35.9%増)、営業利益8億9200万円(136.3%増)。欧米は、産業機械業界向けの設備機器の販売が増加し、売上高30億1000万円(23.6%増)、営業利益1300万円(18.4%減)となった。

山善は、生産財関連事業の売上高は、24.1%増の1512億7700万円。国内の機械事業は、自動車産業で脱炭素化等に向けた設備投資が徐々に増えはじめ、半導体製造装置の部品加工向け等の工作機械受注も伸長し、顕著に回復。機工事業は、生産現場への工作機械の導入や工場の稼働率が上昇したことで、切削・補要工具等の販売が伸長。メカトロ・測定機器・マテハン機器の販売も好調となった。

海外では、中国・ASEAN・北米支社では自動車や半導体産業等を中心に設備投資が行われ、台湾支社は半導体やIT機器産業のEMS企業の設備投資が活発で、海外の4支社ともに工作機械の受注および販売が伸びた。

因幡電機産業は、電設資材事業が前年並みの売上高832億200万円(0.2%減)となったが、産業機器事業が旺盛なデジタル関連需要や自動車業界の回復などで半導体関連向けの販売が好調で売上高161億3200万円(21.5%増)となりカバー。製造業で設備投資が持ち直したことにより、制御機器と電子部品の販売が増加。

カナデンは、FAシステム事業が売上高173億1600万円(0.6%増)、経常利益は6億400万円(16.3%増)。FA分野は中国市場や半導体・液晶市場の急速な回復が牽引し、コントローラを中心に堅調に推移して4.0%増。産業メカトロニクス分野は一般工作機械の成果はあったが、レーザ加工機等が案件減少。産業システム分野は飲料メーカー向け制御システムの大口案件等があった一方、電気設備大口案件の剥落により減少となった。

明治電機工業は、主要顧客である自動車関連企業は期初は販売が好調だったが、半導体不足やASEANからの部品供給不足で生産や販売に影響が出た。電気・電子・半導体関連企業は投資が拡大。工作機械・産業機械関連は中国のPC向けが減速し、弱含み。また半導体不足により取り扱い製品の入手困難があり販売活動に影響が出たが増収増益を確保した。

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