シュロニガー、ECADと電線加工で連携開始 自動化で盤製造の品質・生産性向上

物事をスムーズに進めるには事前準備が重要だ。あらかじめ必要な素材をそろえておけば、あとはそれを使って作るだけ。制御盤の製造もそうありたいが、現実にはそうなっていない。

電線加工機メーカーのSchleuniger(シュロニガー)は、ECADソリューションズの配線シミュレーションソフト「WIRE CAM DX」とのデータ連携を開始し、電線加工の自動化を実現。必要な電材の下準備を容易にし、配線作業の効率化と品質向上、さらには制御盤設計・製造のデジタル化を推進する。

配線作業の工数増は電線加工の非効率にも原因アリ

制御盤は、電気CADを使った設計にはじまり、盤内機器の調達、盤の筐体の板金・塗装加工、機器の組み付け、配線作業、稼働チェック、立ち上げという流れで製造され納品される。そのなかで最も手間と工数がかかるのが配線作業とされる。

配線作業は、大分すると電線加工と機器を配線でつなげる配線作業に分かれ、前者の電線加工は接続対象の機器に応じてさまざまな長さと種類の電線を作成するが、その作業は手作業で非効率なやり方で行われていることも多い。例えば、配線の都度、機器間の距離を測長し、それに合わせて電線を切断して末端加工をし、端子を取り付けて配線をするなど。昔からの習慣で配線作業のなかに電材の下準備も含まれてしまい、「電線は配線をする時に自ら加工して調達するものである」となっているケースも多い。

量産準備のため電線の加工情報を取得する目的のプロトタイプの盤であればそれでも良いが、一品一様の制御盤や、工作機械やロボット、産業用機械向けの、ある程度標準化されている盤でも同様の非効率が広がっている。そこに対して電線加工を自動化し、配線作業を効率化することでリードタイム短縮につなげていこうというのがシュロニガーからの提案だ。

自動車ハーネスやロボットケーブルなどで実績多数。制御盤向けを強化

シュロニガーは1975年創業でスイスのトゥーンに本拠地を構え、グローバルの従業員数は約900人超。スイスの企業連合体Metall Zugグループに属し、ワイヤー加工事業部門を担っている。

全自動測長・切断・端末ストリップ装置といった電線加工機を中心に、自動車や情報通信技術、産業用・民生用電子機器・家電製品、航空宇宙・防衛、鉄道・輸送、医療技術など幅広い業界に対してビジネスを展開。特に自動車向けのワイヤ・ハーネス加工機では高いシェアを持ち、欧米の自動車メーカーはもちろん、日本でも大手電装品メーカーで多く採用されている。またロボットケーブルの加工用として半導体製造装置や工作機械メーカーなどで使われている。

設計データを取り込むだけ簡単に電線加工機と連携

このほど新たなアプリケーションとして制御盤の電線加工に着目し、ECADソリューションズと連携を開始。すでにいくつかの産業機械メーカーでの採用実績はあり、これから提案を本格化していくところだ。

このたびECADソリューションズの「WIRE CAM DX」と、シュロニガーの電線加工機の設定・制御を行う「Cayman」のインターフェースが開発された。WIRE CAM DXで設計された電線加工データから電線加工機の制御プログラミングをCaymanが自動で生成。必要となる電線の数や長さ、末端加工などをあらためて入力して設定することなく、シームレスに自動で電線加工を行うことができる。

対応機種は、エントリーモデルとしてコストパフォーマンスの良い「EcoStrip 9380」をはじめ、オプションやアクセサリーが豊富で汎用性の高い「MultiStrip 9480」、高精度処理と優れた生産性、柔軟性が特徴の「PowerStrip 9580」、100sqを超える大口径ケーブルに対応し、幅広い加工範囲を特徴とする「MegaStrip 9680」。全自動ケーブル切断・ストリップ装置の全ラインナップにて対応している。

誰でも電線の下準備が可能に

機械による電線加工の自動化で配線作業の手間と工数は削減できるが、それでは限定的。同時に作業プロセスを見直すことで、さらなる効率化が可能になる。

これまで電線加工は、組み立て作業をする技術者がその都度、自ら長さを測って切断し、端子を取り付けていたが、WIRE CAM DXとCayman連携を使ってデータ化と機械化することで、知見や経験の少ない作業者でも適切な長さと本数の情報を事前に入手できるようになる。

技術者の作業をWIRE CAM DXでの配線シミュレーション、電材加工データの出力と、作業指示データの作成を行うプロセスに集約し、電材加工を機械化、盤内機器の取り付け・配線作業は非技術者が担うというように、適材適所によって効率的な作業が行えるようになる。また筐体の板金・塗装加工や機器取り付けと並行して配線段取りを行うことができるので、全体のリードタイム短縮につなげることができる。

制御盤設計・製造の効率化、DXを目指すメーカーに最適

WIRE CAM DXとCayman連携で最も効果が見込めるのが、産業機械や製造装置、自動機、ロボットシステムなどある程度、標準化された盤を製造している盤メーカー、および生産設備用制御盤をはじめとした一品一様の盤を製造している盤メーカー。また盤の設計・製造を効率化したい、データを活用して制御盤のDXを進めたいという先進的なメーカー。

シュロニガーは「制御盤業界も高齢化と人手不足が進んでいて、それを解消したいという熱意を持っているメーカーは多い。これまでも制御盤のケーブルの測長から切断、被覆むきを全自動でやる機械はあったが、高額で手が出せなかったという声も聞いている。それに対し当社では、卓上型から据え置き型までラインアップをそろえ、規模や用途に合わせて選ぶことができるようになっている。電線加工作業を機械化することで、ケーブル加工工程を改善でき、品質向上と作業時間の大幅短縮が実現できる。ぜひ試してみてほしい」としている。

https://www.schleuniger.com/ja/

NTTデータGSL

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