【制御盤の設計・製造の効率化・DX事例 】ECADソリューションズ 盤内配線シミュレーションソフト「WIRE CAM DX」と電線自動加工機の連携

制御盤の設計・製造の効率化・DXに向けてキーワードとなるのが「自動化」と「作業アシスト」だ。いま人手でやっている作業にも、自動化できるもの/自動化に適さないものがあり、自動化できるものは機械やソフトウエアに代替させ、適さないものは人にまかせる。自動化に適さない作業であってもデジタルの技術でアシスト(補助)すれば作業効率が上がるケースは多々ある。これらをうまく組み合わせることで制御盤の設計・製造の生産性は上がり、リードタイムを短縮することができる。その好例として、ECADソリューションズの盤内配線シミュレーションソフト「WIRE CAM DX」と各種加工機を連携させた取り組みがある。今回はそれを紹介する。

デジタルツールと自動化の有効活用

盤内配線シミュレーションソフト「WIRE CAM DX」

「WIRE CAM DX」は、ECADをはじめ各種CADで作成したデータ(PDF、DWG、TIFFなど)を取り込み、盤内配線のシミュレーションを行えるソフトウエア。加えて、シミュレーションで算出した電材の加工データや作業指示書などを出力し、後工程に応用もできる。

多くの場合、盤内配線は、技術者が図面を見て、どう配線するかを脳内で考える形で行われているが、実際にそれを正確にスムーズに行うには慣れや経験が必要だ。熟練技術者とそうでない技術者では時間と精度に大きな差が生まれ、それをできる人が限られるが故に技術的ハードルが高く、人手不足の根本原因にもなっている。また、同じ製品の製造でも作業者により配線順やルートが異なる結果になるなど、成果物のばらつきの発生も問題になっている。

そこをIT・ソフトウエアで代替することで熟練技術者の知見をデータ化して継承できるようにし、加えて経験の浅い技術者や非技術者に対しても作業支援を行えるようにしたのがWIRE CAM DXだ。

技術者のノウハウをデータ化

具体的には、図面や部品表・接続情報をWIRE CAM DXに取り込み、端子位置と入線方向、端子情報などの基本情報を読み込む。その後、配線経路を作成して配線コマンドを実行すると、最適な配線ルートを自動的に算出したシミュレーション結果が画面に表示される。設定する情報は、自社で蓄積した情報をライブラリとして利用できる他、クラウド上の部品ライブラリデータベース「ECAD Library」にあるデータも利用可能だ。

シミュレーション結果から、マークチューブや電線加工などの後工程に必要な電材加工データを出力し、電線加工作業を機械化できる。取り付け位置や配線ルートをガイドする専用機能で、熟練作業者以外でも盤内配線が可能になる。また、これまで蓄積した図面データや配線のやり方など会社の資産をデータとして活用できるようになる。

加工機とデータ連携で電材加工も機械化

電材加工では、データを各加工機に取り込むことで手入力が不要になり、マークチューブの印字や電線の測長・切断・ストリップの機械化が可能。対応メーカーは、ライオンパワー、小寺電子製作所、CTK、壬生電機製作所、マックス。さらにコマックス、シュロニガーの装置も加わった。必要な電材を、段取りに合わせて効率よく準備でき、さらに筐体の板金・塗装工程と同時並行で作業を進めることで、全体のリードタイム短縮が可能になる。

作業指示書で機器取り付け、配線作業を支援

また生成したデータは盤内への機器取り付け作業にも応用が可能。作業指示書として機器の取り付け、配線作業をアシストする。

WIRE CAM DXのパネルモニター機能を使うと、パソコンに取り付け機器リストと取り付け位置の指示を表示でき、作業者はそれを確認しながら作業ができる。これにより熟練技術者以外、たとえ技術者でないパート作業員でも、ミスなく、一定の速度で取り付け作業が可能になる。

同様に配線作業を支援するワイヤリングモニター機能もあり、配線の元機器と先機器の情報と配線ルートが表示され、回路図が読めない作業者でも1本1本確認しながら配線作業が可能。配線作業の時間の履歴も自動記録され、製造管理にも使うことができる。

これらの機能で作業をアシストすることで誰でも機器取り付けと配線作業ができるようになり、熟練技術者の作業負荷の低減と人手不足の解消につなげることができる。

作業プロセスの見直しと分業化で人手不足解消

制御盤はカスタム要求も多く、多品種少量生産になることが多い。一方で、技術者の数は限られ、人手不足も進んでいる。工数が増えながら人手が減っている状況を解消するには、自動化と標準化、分業などにも踏み込んでいく必要がある。最初のステップは、各工程と業務を、熟練技術者しかできない作業、機械でできる作業、人手が適しているが高い技術は必要なく、アシストを受ければ誰でもできる作業などに分類し、機械や人に作業をまかせ、熟練技術者にかかる負荷を分散することからはじまる。

今回紹介したWIRE CAM DXや各種電線加工機の連携のような取り組みやシステム、ソリューションはすでに市場に出てきている。制御盤の設計・製造の効率化をさらに進化させるためには、単なるツールの導入だけでなく、プロセスの見直しにも手を入れることが重要だ。

https://www.ecad-sol.com/

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