ローカル5Gの導入によって促進されるスマートファクトリー③製造工場におけるローカル5Gの導入効果「作業環境の変化編」【ミライト】

電波干渉がない安定した高速、大容量、低遅延のネットワーク環境と、SIM認証による高度なセキュリティ環境を実現するローカル5Gのワイヤレスインフラ。製造工場においては、機械同士が情報をやり取りする通信インフラに活用すれば、「デジタルツインによるリアルタイム監視でダウンタイムを削減」「多機能なAGVが工場内を自由に走行」「AIによる画像解析で製品の不具合をリアルタイムに検出」といった導入メリットが得られる。しかし、ローカル5Gを製造工場で活用するメリットはそれだけではない。ここでは「作業環境の変化」の視点から、ローカル5Gの活用が人間の働き方も変えていく活用例を見てみよう。

(著:株式会社ミライト)

第1回 ローカル5Gの導入によって促進されるスマートファクトリー

第2回 製造工場におけるローカル5Gの導入効果「製造工程の効率化編」 

https://www.mrt.mirait.co.jp/

ピッキングロボットを遠隔操作して人間の作業負担を軽減

 1960年代から日本でも活用され始めた産業用ロボットは、高度経済成長における大量生産の工程を支えてきた。そこで利用されてきたロボットは、人間と比べて圧倒的なパワーを持ちながら決められた作業を高速に繰り返すという、製造工程の一部を自動化するために作られた機械だった。こうしたロボットの活躍によって、さまざまな作業が合理化されてきたが、今求められているのは、消費者ニーズの多様化や市場の変化に迅速かつフレキシブルに対応する、多品種少量生産を実現する工程に組み込まれるロボットだ。

 多品種少量生産を可能にする工場においては、製造工程で扱われる多種多様な形や大きさの部品を選別してピッキングし、適切なラインに流していく必要がある。従来の単一作業を自動化するだけのロボットでは、さまざまな状態で置かれている多種多様な形状の部品を個別にアームで掴むことが難しく、人間による手作業に頼っていた。そこで、AGV(無人搬送車)にロボットを載せ、ピッキング位置まで移動させるところまでを自動化。ピッキング作業そのものは、ロボットに取り付けたカメラからの画像を、人間が遠隔からモニターで確認しながら操作する仕組みを構築する。これによって、人間は移動することなく、作業のタイミングに応じてモニターを見ながら手元のコントローラーでロボットを直接操作するだけなので作業負担が軽減できる。

 こうした遠隔操作の仕組みそのものは、従来のワイヤレスLANでも構築可能だろう。ただ、ロボットやカメラの台数が増えてくると画像データを転送する際の遅延が大きくなり、人間がモニターを確認しながらリアルタイムにピッキングすることが難しくなってくる。その点、ローカル5Gは、将来的には多数同時接続に強く低遅延なので、ロボットの台数を増やしてもリアルタイム操作に支障がでない。作業者が1人で担当できるロボットの台数が増えれば、さらに業務効率化にも貢献できるだろう。

 こうした用途で活用されるワイヤレスインフラの構築でも、ミライトの「ローカル5Gオールインワンパッケージ」ならば、3Dスキャナや電波伝搬シミュレータを活用して電波が届きにくいエリアを事前に可視化し、工場内の特定エリアで電波が届かずにAGVが利用できないといったトラブルも防げる。また、部品の形状を細かく確認するために、8K映像による鮮明な画像から微細な部分を拡大して切り出すシステムを付加するなどのアプリケーションもセットで受注可能だ。

高精細映像を活用して作業員の人材育成を支援

 少子高齢化の影響で人材不足が深刻化する製造業においては、新入社員の教育を担当する中堅作業員の人手も無駄にできない。また、中堅作業員には、熟練作業員が培ってきた技術やノウハウを引き継いで技術伝承してもらいたいなど、人材育成が重要な課題になっている。一方で日本の製造業では、製品設計や工程設計などの上流工程をはじめ、設備のオペレーション管理、IoT活用などについてのデジタル化は進んでいるが、現場の技やノウハウのデジタル化については遅れている。そうしたノウハウまでデジタル化できれば、中堅社員が新人教育に時間を取られることもなくなり、さらにはAIで熟練作業員のノウハウを学習したロボットが現場で匠の技を再現するなど、作業員の負担減と製品の品質向上が両立できるかも知れない。

 新人研修では、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の技術を活用し、製造現場や保守点検の現場などをヘッドマウントディスプレイ上で再現すれば、仮想環境による体験型トレーニングが実現でき、新人作業員一人一人に中堅作業員がついて手ほどきすることもない。また、全国にある工場の新入社員に、遠隔からリアルタイムできめの細かな研修を受けさせることも可能だ。ヘッドマウントディスプレイを5Gネットワークに接続すれば、VRやARを活用した多人数の研修でも、研修生や講師のコミュニケーションにタイムラグが発生しない。

 熟練作業員から中堅作業員への技術伝承においては、その技術の差は、数ミリ単位の動作の違いや僅かな間の取り方だったりする。そうした動作の差を映像の比較で数値化するには、4Kや8Kなどの高精細なカメラでなければ捉えることが難しい。そこで、まず熟練作業員が作業する時の動線や手の動作などを、高精細カメラで撮影して映像データを収集し、AIによる解析でデジタル化する。その後、実際に現場で作業者が行う映像を熟練作業者の作業映像と比較してリアルタイムにフィードバックすれば、「リアルタイムコーチング」が可能になる。その際の通信にも、タイミングのずれが発生しないように高速、大容量かつ低遅延の5Gネットワークの活用が必須となる。そして、AIによる学習でデジタル化された匠の技をロボットが再現する際にも、微妙なタイミングを再現できる5Gネットワークが必要になる。

 このようなケースでは研修の内容などに応じて、5Gネットワークに接続される端末の構成を柔軟に変更したり追加したりする必要があるだろう。ミライトの「ローカル5Gオールインワンパッケージ」では、ヘッドマウントディスプレイだけでなく肩掛けタイプのウェアブルデバイスなども提供できる。そのように、リアルタイムな現場管理や技術伝承などのソリューションを実現する、さまざまなオプションを用意して5Gネットワークを活用した人材育成を支援する。

リモートワークでテレワーク拠点から工場勤務できる環境を構築

 少子高齢化による深刻な労働人口減少に立ち向かうには、従業員の生産性や満足度を向上させ離職率を抑えることも重要な課題だ。その方策の1つとして、さまざまな業種において時間や場所にとらわれず、毎日の通勤から解放され、自分が最も働きやすい環境で仕事ができるリモートワークの導入が進もうとしている。とはいえ、元来現場主義が根付いてきた製造業では、工場での作業をそのままリモートワークに移行することは難しいと考えられてきた。しかし、新型コロナウイルスが引き起こしたような緊急事態などへの対応だけでなく、自然災害によって工場に出勤する交通手段が断絶された場合でも、リモートワークが実施できる体制があれば事業継続性(BCP)を保つことができる。

 ローカル5Gによるワイヤレスネットワークがあれば、低遅延でタイムラグの少ない遠隔操作が可能になるため、遠隔地(同一敷地内)のパソコンで現場の様子を確認しながら、作業ロボットを操作することも現実的になる。前述のピッキングロボットの操作や、仮想環境を活用した技術指導なども遠隔地(同一敷地内)から行えるだろう。ロボットの遠隔操作のために、5Gのワイヤレスネットワークで送受信されるデータは、画像や音だけではない。最近では、ロボットがものを掴んだ際の力加減や感触なども、リアルタイムに遠隔で再現する技術が実用化されつつある。こうした技術によって、ロボットアームが感じている触覚まで遠隔地(同一敷地内)で共有できるようになれば、より正確で繊細な遠隔操作が可能になるだろう。

 そして、製造の現場では作業員同士のコミュニケーションも重要だ。従来、工場内でのコミュニケーションは音声端末の活用が基本になってきた。工場内のワイヤレスインフラが5Gになることで、工場内だけではなく遠隔地(同一敷地内)からのリモートワーク作業者とのコミュニケーションにも、ビデオ会議を行ったりリアルタイムでの共同作業を行うアプリケーションが利用可能になる。

ミライトの「ローカル5Gオールインパッケージ」は、通信建設の専門業者として培ってきたエンジニア力に加え、製造業が抱えるさまざまな課題解決のためにワイヤレスエリアの構築からパートナー企業と連携したアプリケーション開発までのトータルソリューションを提供する。

無線エリア構築ソリューション

https://www.mrt.mirait.co.jp/solution/solution32/

https://www.mrt.mirait.co.jp/wp-content/uploads/pdf/20200610.pdf

ローカル5Gオールインワンパッケージ

https://www.mrt.mirait.co.jp/solution/local5G_allinone/

https://www.mirait.co.jp/news/upload_files/20210623.pdf

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