DX銘柄2021・DX注目企業2021が発表 DXに積極的に取り組み、実績を上げている上場企業 グランプリは日立製作所・SREホールディングス

経済産業省と東京証券取引所は、国内上場企業(一部、二部、マザーズ、JASDAQ)のなかでもデジタル技術を前提としたビジネスモデルや経営変革に取り組んでいる企業、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めている企業を選定し、「DX銘柄2021」「DX注目企業2021」として公表した。DXで先行している企業はどのように、どういった取り組みを行っているのかを紹介する。

DX銘柄とは?

経済産業省によると、DX銘柄とは、東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を、業種ごとに最大1~2社ずつ選定して紹介するもの。
DX銘柄に選定された企業は、単に優れた情報システムの導入、データの利活用をするにとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革及び経営の変革に果敢にチャレンジし続けている企業であり、選定された企業は他の企業がDXに取り組む際に参考になることが期待されている。
選定プロセスは、東京証券取引所の上場会社全社(一部、二部、マザーズ、JASDAQ)を対象にアンケート調査を実施し、①アンケート調査回答・ROEのスコアが一定基準以上であること、②評価委員会において、取組について高い評価を得たこと、③重大な法令違反等がないことを基準として選出される。

2021年はDX銘柄28社、DX注目企業20社を選出

デジタル技術を前提として、ビジネスモデル等を抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく「DX」に取り組む企業を「DX銘柄」とし、そのなかから特に優れた取り組みを行った企業を「DXグランプリ2021」として選出する。2021年にDX銘柄として選ばれたのは28社、うち2社がDXグランプリとなった。
またDX銘柄に選定されていない企業の中から、特に企業価値貢献部分において、注目されるべき取組を実施している企業が「DX注目企業」となり、2021年は20社が選ばれた。

DXグランプリ2021は日立製作所とSREホールディングス

2021年のDX銘柄のなかでDXグランプリに選ばれたのは、日立製作所(電気機器)【証券コード6501】とSREホールディングス(不動産業)【証券コード2980】。

Lumadaで社内外でDXをリードする日立

日立は、先進的なデジタル技術を社内で積極的に活用し、加えて顧客と協創してつくった新たな事例やソリューションを「Lumada」として展開し、グローバルでDXを推進。

例えば大みか事業所では、IoT技術やデータ分析などを活用し開発・設計から納入後の運用保守までを全体最適化する長年の取り組みが評価され、世界の先進工場「Lighthouse」に選出された。
また、これまで製造業として培ってきたOT(制御・運用技術)とIT、プロダクトを融合させ、製品の故障予兆検知や運用効率の最適化などのバリューチェーン全体を最適化するソリューションとして提供し、アフターサービス・メンテナンスサービスの高度化・高付加価値化やビジネスモデルの変革を実現している。

クラウド基盤上でデジタルソリューションをパッケージ化し、迅速な検証や導入を実現するプラットフォーム「LumadaSolutionHub」や、顧客やパートナーをつないでオープンイノベーションの場を形成する「Lumadaアライアンスプログラム」などを通じて、DX推進のエコシステム構築も進めている。

コロナ禍に対してはテレワークを支援するデジタル環境を強化し、顧客に対してもリモート・非接触・自動化を支援するデジタルソリューションを展開し、ニューノーマルな生活様式への移行を支援している。
これらのLumadaを活用したDXの取り組み、企業全体の変革エンジンとなっていることが評価された。

リアルビジネス×テクノロジーでDXを進めるSREホールディングス

SREホールディングスは、 クラウドとAIのコンサルティングと不動産事業を手掛け、リアルな不動産事業の知見・データを蓄積し、 不動産/金融業界などへ実務有用性の高いAIソリューション・ツールを提供している。「リアル×テクノロジー」を掛け合わせ、不動産テック事業を内包したSaaSプロバイダーとして活動している。

DXの取り組みについては、社長直轄のDX推進室を中心とする関係部署が社内外のDXニーズを収集し、不動産事業の現場メンバーとエンジニアが業務のスマート化に連携して取り組んでいる。同時にその過程で実務有用性のあるソフトウェアツールを創出し、マーケットインの開発を進めている。

不動産仲介では、売主と買主それぞれに専任の担当をおくエージェント制を採用して手厚いフォローを行うとともに、先端技術を活用したスマート化ツールをアジャイル開発し、 積極的に試験導入することで不動産売買仲介業務の生産性向上を実現。

さらに不動産事業のスマート化の過程で磨き込まれたAIソリューション・ツールを不動産/金融などの業界各社に提供。その顧客から不動産取引に関するデータを提供してもらうことでアルゴリズムのアップデートを常に行いAIの精度を高める「データエコシステム」を構築している。

DXのカギは、確立された本業とデジタルを生かした新事業の相乗効果か

DXグランプリに選ばれたのは、いずれもリアルビジネスが確立されている2社。日立は製造業、SREホールディングスは不動産業と、いずれもリアルビジネスがあり、そこで得た知見や技術、市場のニーズを派生させてデジタルサービス化し、既存ビジネスの強化と新規ビジネスの創出、さらにその掛け合わせによる相乗効果を得て、企業変革のエネルギーとなっている。DXでいう企業変革とは、単なる新たなビジネスモデルの創出とシフトではなく、既存ビジネスを生かした新たな事業創出がポイントになりそうだ。

DX銘柄28社のうち製造業は11社

DXに積極的に取り組んでいる「DX銘柄」に選ばれた企業は、DXグランプリ2社を加えた合計28社。
製造業ではアサヒグループホールディングス(食料品)【証券コード:2502】、旭化成(化学)【証券コード:3407】、中外製薬(医薬品)【証券コード:4519】、出光興産(石油・石炭製品)【証券コード:5019】、ブリヂストン(ゴム製品)【証券コード:5108】、JFEホールsディングス(鉄鋼)【証券コード:5411】、小松製作所(機械)【証券コード:6301】、NEC(電気機器)【証券コード:6701】、ヤマハ発動機(輸送用機器)【証券コード:7272】、トプコン(精密機器)【証券コード:7732】、凸版印刷(その他製品)【証券コード:7911】の11社が選出された。

ヤマハ発動機は、2020年からグローバルで展開しているコネクテッド二輪車と専用アプリを使った顧客との繋がりによる二輪車への付加価値など企業価値への貢献、ロボティクス技術の活用やモビリティの変革など事業との親和性の高さによるDX実現能力などが評価された。
NECは、世界トップクラスの生体認証技術などの最先端のデジタル技術を生かしたDX事業展開や社内のDXへの挑戦機会の創出や評価制度などの環境づくり、DXサプライヤとしての全方位的な活動が評価された。

旭化成は、2019年からの中期経営計画でDX推進を掲げており、研究開発・生産・品質管理・設備保全・営業・マーケティング・事業戦略・新事業創出など 幅広い範囲でDXの取り組みを進めている。またデジタルプロフェッショナル人材獲得・育成、事業責任者に対しDX教育の実施などの取り組みが評価された。

凸版印刷は、 2020年度に全社横断型のDX推進組織「DXデザイン事業部」を新設。 デジタル変革を推進するコンセプトをつくり、「デジタルプリントソリューション」や「トッパンセキュアアクティベートサービス」を始め、 デジタルマーケティングや製造DX支援ソリューション「NAVINECT」など、 多種多様な業界に向けたDX推進サービスを開発・提供。 社会や企業のDXを支援している。さらに自社業務プロセスの変革や環境整備、情報開示も積極的に行ったことが評価された。

製造業以外では、トラスコ中山(卸売業)【証券コード:9830】、清水建設(建設業)【証券コード:1803】、東日本旅客鉄道(陸運業)【証券コード:9020】などがDX銘柄に選ばれた。

DX注目企業は20社を選出

「DX銘柄」に選定されていない企業の中から、特に企業価値貢献部分において、注目されるべき取組を実施している「DX注目企業」には20社が選ばれた。
製造業では、日清食品ホールディングス(食料品)【証券コード:2897】、ワコールホールディングス(繊維製品)【証券コード:3591】、ユニ・チャーム(化学)【証券コード:8113】、大日本住友製薬(医薬品)【証券コード:4506】、AGC(ガラス・土石製品)【証券コード:5201】、三菱重工業(機械)【証券コード:7011】、富士通(電気機器)【証券コード:6702】などが選出された。

経済産業用 DX銘柄/攻めのIT経営銘柄
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/keiei_meigara/keiei_meigara.html

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