【2021年年頭所感】日本産業機械工業会「コロナ後を見据えた成長力の強化に向けて」斎藤保 会長

日本産業機械工業会 斎藤保 会長

 

2021年を迎えるに当たり、新年のご挨拶を申し上げます。
 
皆様には、気分も新たに新年を迎えられたことと思います。
 
昨年を振り返りますと、新型コロナウイルスのパンデミックにより国際社会は未曾有の危機に直面し、わが国においても、感染拡大を防止するために、史上初めてとなる緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出自粛や休業要請の他、遠隔・非対面・非接触による業務など、日常を巡る風景が大きく変わりました。
 
経済面では、12月に発表した日銀短観によりますと、大企業製造業の業況判断指数は、コロナの影響を強く受けた2020年4〜6月期を底として改善傾向となったものの、依然としてマイナス圏を抜け出しておりません。また、感染の再拡大もあり、設備投資計画がマイナスとなるなど、多くの企業が先行きを厳しく見ていると思われます。
 
一方、海外では、他国に先駆けて経済活動を再開した中国の景気回復が見られたものの、新型コロナの感染者数が再び増加する欧米では景気の2番底が懸念されるなど、世界経済の腰折れリスクが高まっているのかと思われます。
 
私ども日本産業機械工業会としては、政府や自治体の要請・指示を受け、会員各社の協力により、感染防止策の徹底や医療関連物資の提供などに取り組むとともに、事業活動の維持・継続に努めました。
 
なお、2020年度上半期の産業機械受注については、国内では官公需が下支えしたものの、外需が減少したことから、受注額が2兆1157億円、前年同期比97.9%と2年連続で前年同期を下回る結果となりました。
 
さて、2021年は、新型コロナウイルスの抑え込みに向けた、大変重要な一年になると思われます。救世主として期待されるワクチンや治療薬の開発が進展しており、わが国でもワクチン接種の準備が始動しております。ただ、多くの人々への接種を実現するためには、今暫く時間がかかるとみられており、それまでは制約の多い環境が続くと思われますが、引き続き国民一人ひとりが危機感を共有し、一丸となって感染防止策に取り組む必要があります。
 
こうした中、我々産業機械業界としては、感染拡大防止に細心の注意を払いながら、事業の継続と雇用の維持を最優先に努力を続けていくとともに、先が読めない時代だからこそ、短期的な回復のみならず、コロナ後を見据えた中長期的な成長力を高める取り組みを継続していく必要があると考えます。
 
特に、世界の新潮流である脱炭素化については、産業機械業界にとっても大きなビジネスチャンスであり、「グリーン成長」に貢献する革新的イノベーションの創出に取り組んでいくことが益々重要になっております。
 
また、我々が長年にわたって蓄積してきた技術や経験を生かし、リモート、非接触、自動化、省力化などの社会や企業が直面している課題を解決し、付加価値の増大につなげていくなど、わが国産業の生産性向上や競争力強化に貢献していく必要があると考えます。
 
政府におかれましては、新型コロナの感染「第三波」への対策の拡充を軸に、経済運営に万全を期していただきたいと思います。さらに、コロナ後を見据えた経済構造の転換と好循環の実現に向けて、脱炭素社会の実現やデジタル改革、企業の生産性向上といった重要課題に対して、スピード感をもって取り組んでいただくことを期待しております。
 
年頭にあたり考えるところを述べさせていただきましたが、関係各位におかれましては一層のご指導、ご協力をお願いしますとともに、皆様のご多幸を心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

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