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儲かるメーカー 改善の急所 101項 (15)

■急所15
整理整頓の基準

理想的な整理整頓された状態とは、必要なモノが一動作で取り出せる状態である。

 

整理整頓は、モノづくり職場においてはすべての人が知っている重要な専門用語です。しかし同じ製造業であっても業種が違えばその基準はさまざまです。例えば食品と機械加工とでは材料も工程も要求品質も全く違いますから整理整頓の基準には違いがあってもおかしくないでしょう。

しかし、「理想的な整理整頓の状態」を追求すると、そこには業種にかかわらず共通の基準が存在します。それは必要なモノが「一動作で取り出せる」状態であることです。

ご自宅における整理整頓には、当然ですが個人差があります。ある特定の時にしか使わないモノもあれば、思い出があるので捨てられないモノもあります。部屋中に散らかすこともできないので、タンスやクローゼットにはいろいろなモノがぎっしりと詰め込まれていることも普通かもしれません。しかしこれは個人のことなので、それぞれの方の判断にお任せするものだと思います。

しかし工場においては、それぞれの人の感性によって整理整頓のレベルが変わるということは許されません。全員で「一動作」ですべてのモノが取り出せる環境づくりを目指していただきたいと思います。

一動作でモノを取り出すためには、例えば棚やロッカーを設置する場合でも、自宅と違って扉やカバーは不要でしょう。扉がなければ開ける動作が不要になり一動作で取り出すことができます。自宅と工場ではキレイの基準が違うと同様に、整理整頓の状態の理想型にも違いがあるのです。そもそも不良品はあってはいけないし、要るモノだけが使いやすい状態でそろっていることが重要です。

 

日本カイゼンプロジェクト 会長 柿内幸夫
1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011〜2016)、静岡大学客員教授 著書「カイゼン4.0 – スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など

 

一般社団法人日本カイゼンプロジェクト

改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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