オムロン、熟練保全者の計測ノウハウを自動化した絶縁抵抗監視機器 発売

2020年12月1日

オムロンは、製造現場の異常状態を人に代わって監視する「状態監視機器」の新シリーズとして、絶縁抵抗監視機器「K7GE-MG」を12月1日から日本で発売を開始し、順次グローバル展開する。「K7GE-MG」で設備の絶縁抵抗(*1)の劣化傾向を数値で把握することで、設備点検工数の削減や、設備の突発故障の防止に貢献する。

絶縁抵抗監視機器「K7GE-MG」

 

近年、製造現場では設備の老朽化に加え、熟練保全者の不足により、設備の突発故障や停止が発生し、工場全体の生産性に大きく影響を及ぼしていることが課題になっている。また、海外の生産拠点では、新型コロナウイルスによる移動制限から、さらにこの課題の深刻度が増している。

オムロンでは2017年12月より、強みであるセンシング技術と異常検出アルゴリズムをすり合せ、製造現場の停止ロスをなくすために、設備の異常状態の監視を実現する「状態監視機器」を提供。これまで、モーター異常や、制御盤などの温度異常を監視できる上、現場の既存設備にも容易に取り付け可能な機器を開発することで、製造現場で完結できる保全革新に貢献している。

今回発売の「K7GE-MG」は、設備に搭載されるサーボモーターなどの絶縁不良(*2)の検出が可能となった。これまで正確な絶縁抵抗の測定には、測定方法など熟練のノウハウが必要な上、生産設備を停止する必要があるため、定期点検と定期点検の間で絶縁不良が発生し、設備停止が発生していた。

「K7GE-MG」では、熟練保全者が行う点検ノウハウを機能に取り込むことで、再現性の高い計測を自動で実施することができるようになり、従来の手動測定に比べ、計測工数の削減、および、わずかな異常兆候も正確に把握できるようになる。さらに、通信機能を搭載し、製造現場に行かずにオフィスなどからリモートで絶縁抵抗の劣化傾向を監視することで、設備点検工数を削減し、突発故障の防止に貢献する。

 

「K7GE-MG」シリーズの主な特長

1.熟練保全者の計測ノウハウを組み込んだ、再現性の高い計測

絶縁抵抗測定値は設備の動作状態や配線状態などで大きく値が変化する。そのため、従来の手動測定では測定者や測定条件によるバラツキが発生しやすく、再現性の高い測定が困難だった。

K7GE-MGでは熟練保全員が実施する測定待ち時間などのノウハウを機能へ搭載したため、傾向監視に必要な再現性の高い計測ができるようになり、計画的な保全の実現に貢献。

 

2.設備に負担をかけないローボルテージ計測の実現

K7GE-MGは、測定対象への印加電圧がDC50V固定と、手動測定で使用されるメガーテスターの印加電圧DC500V/DC1000Vと比較して大幅に低く設定されており、設備への負担がない。なお、DC50Vでの計測でも、メガーテスターで測定した場合と同等の結果を得ることができる。

 

3.ネットワーク接続で遠隔地からでもデータ監視が可能

K7GE-MGはタッチパネルやPLC、通信変換器を使用したネットワーク接続で、事務所からのリモート監視が可能。また、本体表示によって現場での計測結果の確認もでき視認性に優れている。

 

4.設備・用途に応じた高いユーザビリティ

測定対象と接続するプローブユニットは最大8台まで増設可能。測定対象の数に合わせてプローブユニットを設置できるため、スペース効率の高く、無駄のない設置ができる。

また、K7GE-MGは設備に配線したまま、メガーテスターによる法令点検が可能。[特許出願中(*3)]

計測中以外は内部接点で計測対象機器と遮断しているので、メガーテスターの測定結果に影響を与える事はなく、校正された測定器での測定が必要な場合でも、簡単に対応できる。

 

(*1)絶縁抵抗:電流が流れる電気回路における絶縁が確保された電気回路間(電路相互間及び電路と大地との間)の抵抗値のこと
(*2)絶縁不良:電気が漏れないように筐体と電気回路を遮断している絶縁物が劣化し、電気が漏れる状態になること。絶縁不良になると感電や火災、故障などのリスクが発生し、設備の安全性、生産性に大きな影響を与えます。
(*3) 「特許出願中」の表記は、日本で特許出願中であることを示しています。(2020年12月現在)

 

出典:オムロン「熟練保全者の計測ノウハウを自動化した絶縁抵抗監視機器『K7GE-MG』を発売」