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端子台 活況続きフル生産 製造業、インフラ関連けん引

「つながる・つなげる」で市場創出

端子台市場の活況が続いている。製造業全般が好調なことに加え、インフラ関連、ビル・工場、通信・サービスなどあらゆる領域からのプラス効果が波及している。この先も需要への不安要素は少なく、むしろ納期対応、原材料価格上昇に伴うコスト対策などが課題になっている。

社会全体に広がっている人手不足や人件費上昇が端子台市場にとっては、省工数を目指した取り組みを促すきっかけとして、追い風になっている側面も見られる。省工数に加え、省スペース、接触信頼性、耐環境性など、端子台に求められるニーズはまだまだ多いだけに、「つながる・つなげる」端子台への期待は高まっている。

 

原材料価格上昇課題はコスト吸収

端子台の需要は、景気が好調に推移していることから旺盛な伸びを示している。日本電気制御機器工業会(NECA)の2017年度出荷統計によると、コネクタを含めた接続機器は前年同期比105.4%の500億円となっている。輸出は92.2%と伸び悩んだが、国内が116.9%と2桁増となって全体を伸ばした。

国内の端子台の市場規模は、国内メーカー、最近シェアを高めている海外メーカー、外販しない内作メーカーなどを合わせて約400億円と推定される。電力設備関連やPV(太陽光発電)関連を除いたすべての分野で需要が拡大して、繁忙が継続している。

特に、半導体製造装置、工作機械、ロボット、自動車周辺、ビル、インフラ関連に加え、5Gを見据えた通信、IoTに絡んだビッグデータやクラウド活用に向けたデータセンター関連、飲食などサービス関連での需要も盛り上がっている。

 

工作機械は17年に過去最高の出荷額を記録し、18年も月ベース1500億円前後、年間で1兆7500億円前後と2年連続で過去最高の更新が見込まれている。

半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置も再び2兆円市場を突破し、18年は約2兆8000億円が見込まれている。20年には3兆円市場も視野に入ってきており、「スーパーシリコンサイクル」ともいえる中で先行きへの期待は高い。

ロボットもここ2年で50%増と急伸長で、18年は一挙に1兆円を突破し、1兆1000億円市場も捉えつつある。

 

自動車のEV(電気自動車)化や自動運転、蓄電池、IoT化対応に伴うデータセンターなども今後の端子台市場として有望視する声が強まっている。特に自動車は、中国やインド、欧州でのガソリンやディーゼルエンジンへの規制が始まっており、EVへの切り替え対応が求められている。エンジン車を構成する部品需要の裾野は非常に大きく広いが、EV化でその需要構成がどうなるかの見極めも重要で、EV化によるバッテリーや充電システム関連の市場も大きく見込めることになる。

充電システムでは充電コネクタの規格で日本から提案の「チャデモ」をEVで先行する中国が採用する意向を示すなど、規格統一に向けた動きも活発化している。

さらに、バッテリーや自然エネルギーはDC(直流)への対応も必要になってくることが見込まれるが、自然エネルギーはDC1000Ⅴ、DC1500Vといった高圧に対応した端子台が必要になり、低圧端子台も含めて、需要拡大へのプラス効果につながることから期待ができる。

 

エアコンなどの空調機器向けも、アジア市場を中心にエアコン需要が増加していることに加え、省エネ化などを狙ったビルのリニューアル化から、今後も拡大基調が進むことは確実だ。

そのほか、鉄道車両向けも期待市場にあげられる。海外を中心に鉄道車両需要は伸びており、日本メーカーも省エネ・環境対策などの得意技術をセールスポイントに拡販に取り組んでいる。

端子台はIoT化における機器や設備などを「つなぐ」という大きな役割を果たすとして、注目されている。最近の端子台は、配線作業性、接続信頼性に加え、小型・省スペース化、DCの高耐圧化などを大きなポイントに開発が進んでいる。

 

結線方法に大きな変革

端子台の接続方法は、日本で主流となっているねじ式、欧米で主流となっている圧着端子を使用しないスプリング式(ねじレス式)、圧接式などがある。

日本はねじを使った丸圧着端子台(丸端)が長年使用され、定着している。特に高圧・大電流用途や振動の多い用途ではねじ式の使用が多い。接続信頼性が高いことが大きな理由だ。しかし、このところの人手不足の深刻化への対応策としてスプリング式への評価が急速に変わってきている。

ねじ式の使用が多い制御盤の外線接続端子台では、作業者がスプリング式になじみがなく、作業方法に不慣れであることも不採用の要因のひとつになっている。そこで最近開発されたのが、レバー操作タイプのスプリング式。結線作業用のレバーを内蔵しており、圧着端子や専用工具が不要で、電線をむき出し指操作での電線接続ができる。レバーを上げた時はスプリングが開き、レバーを下げればスプリングは閉じる構造で、レバーの位置でスプリングの開閉状態がはっきりとわかり閉め忘れなどの作業ミスを防止でき安全性が高いという効果も見込める。

 

直感的に作業方法がわかりやすいことに加え、圧着端子取り付け作業や特別な作業工具も不要で結線できることから、初心者であっても容易に作業が可能になる。人手不足の中で、熟練作業者でなくても配線技術習得に時間がかからないこうしたスプリング式端子台は増加している。

従来スプリング式は制御用や小電力用を中心に普及が進んでいたが、ここにきて電磁開閉器や配線ブレーカーの国内大手メーカー2社がスプリング式端子台を配線部に採用する意向を示し、一部で採用した製品の販売が始まっている。

人手不足が、端子台のねじ式からスプリング式への切り替えを後押しすることにつながっており、日本市場でのスプリング端子シェアも大きく変化することが予想される。

 

省工数の取り組み追い風に

スプリング式の評価上昇

最近欧州を中心にプリント基板に外部端子を使用しないで直接給電するための大電流対応コネクタの要求が高まっている。

大容量の電源、インバータ、サーボアンプなどでプリント基板に直接給電することで、大幅な小型化と電力損失の低減が図れ、省エネ化につながるというものだ。コネクタの採用で電線のハーネス化による組立性やボード交換などのメンテナンス性向上が図れるという効果も見込める。

大電流用でのスプリング式端子台のラインアップも急速に拡充している。1500Ⅴ/300Aの高圧・高電流の動力・電源用途に対応したり、電線径200平方ミリという太線でもドライバーを使ってワンタッチで裸の電線接続が可能な端子台も販売されている。大電流用は、配線後の増し締めをする丸圧着端子台(丸端)のカルチャーが定着し採用が進んでいなかったが、接続信頼性の高まりに加え、人手不足も重なり、徐々にこの壁がなくなりつつあり、トータルコスト面も優位性が高いとしてスプリング式の採用を始め、市場に大きな変化が出始めている。

 

スプリング式は配線作業の容易さと、作業スピードの速さでねじ式に比べ格段に優れている。日本配電制御システム工業会(JSIA)は、ねじ式とスプリング式の作業性などについて実機によって検証を行ったが、スプリング式はねじ式に比べ最大で工数が半減する効果が生まれるという結果も出ている。

日本で定着している丸圧着端子台(丸端)にスプリング端子台を組み合わせて1台の端子台として使える「ハイブリッド式端子台」も動向が注目されている。

端子台の片方が丸/Y形端子台、もう片方がスプリング式となっており、配電盤に設置する内線はスプリング式、外線は現場の電気工事によく使用して慣れている丸/Y形端子台として使えるため、それぞれにとって都合がよいといえる。

 

従来、国内向けと輸出向けで端子台を使い分けることが多かったが、国際標準化の流れもあり欧州式端子台に一本化する傾向が強まっている。生産コストの削減や在庫管理上からも有効といえる。

一方、高温や低温下の使用周囲環境を考慮した端子台も注目されている。マイナス50℃やプラス150℃といった周囲温度にも耐える端子台や、材質もセラミックやフェノール樹脂などを使用しているが、最近は取り扱いが難しいセラミックに代わって、不飽和ポリエステル樹脂を使用した端子台も発売されている。

さらにハイブリッドな製品として、ねじレス端子台とヒューズホルダーを一体化した製品も注目されている。配線作業が一挙に省力化でき、DINレールにも取り付けが容易になるなど、ヒューズホルダーの新領域開拓につながることが見込まれている。

人手不足が端子台に大きな配線方法の転換を促し、ⅠoTの進展が市場拡大の起爆剤になりつつある。端子台は「つながる・つなげる」役割の中で市場は一気に広がりを見せようとしている。

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