「Edgecrossコンソーシアム」設立 ものづくりの価値創出へ連携 企業・産業の枠超越

51社賛同 FAとIT「接続」

FAの製造現場(フィールドレベル)とクラウドを含めたMESやERPなどのITレベルとをシームレスにデータ連携させるエッジコンピューティング領域のオープンな基本ソフトウェアプラットフォーム構築に向けた協会「Edgecross(エッジクロス)コンソーシアム」が発足する。スタートには51社が参加し、11月29日から始まる「SCF(システムコントロールフェア)2017」の初日に設立し、同展でデモを行う。フィールドレベルからITレベルまでのシームレスな接続がようやく実現する。今後、日本発のオープンなプラットフォームとしてグローバルな普及に向けて活動を強める。

Edgecrossコンソーシアムは、企業・産業の枠を超えて、FAとITをエッジコンピューティング領域でつなぐオープンな基本ソフトウェアプラットフォーム「Edgecross」を介することで、ものづくりを取り巻くさまざまな環境に対応しようというもの。

アドバンテック、オムロン、NEC、日本IBM、日本オラクル、三菱電機の6社が幹事会社となってコンソーシアムを設立し、テクニカル部会、マーケティング部会を設けて、Edgecrossの普及促進と販売、及び仕様策定と対応製品の認証、マーケットプレイスの運営などで会員各社の販売支援を行う。さらに、学術機関や関係団体との連携にも取り組む。

現在のFA現場の課題は、さまざまなメーカーの装置・設備が混在し、接続方式やITシステムとの接続にも手間がかかっていることだ。

そこで、エッジコンピューティング領域において、FAのデータを、クラウド・ITシステムに上げるべきデータに1次処理することで、通信量の低減やセキュリティの確保ができる。また、生産現場に近い場所でデータの管理・処理・フィードバックをすることから、リアルタイムな応答で必要な業務に対応できるため、効率的な処理が可能になるなど、エッジコンピューティングによる自律分散型IoTが実現できる。

とくに、ITのアプリケーションをFA用途に適用することで、稼働監視や予防保全、データ分析などの効果が期待できる。

同コンソーシアムの顧問を務める木村文彦東京大学名誉教授は、IoTの活用が加速する中、「生産現場を中心としたバリューチェーンの最適化には、エッジ領域でのプラットフォームを構築していくことが重要」とし、「そのためにはFA、IT双方の知識が必要で、(各社)単独で行うには限界がある。企業・産業の枠を超えた協力と協働が必要」と設立の趣旨を語る。

普及に向け、SCFでのデモに続き、18年1月のスマート工場EXPOにも出展する。

「Edgecross」は18年春に販売を開始し、マーケットプレイスも開設して運用を行う。なお、事務所の場所もこれから決める予定。

 

大同団結した取り組みが鍵

【解説】ようやくユーザーの意向に対応した取り組みが動き出した。生産現場のフィールドレベルでは、多様な装置・設備が混在して稼働しており、それらの接続方法や通信プロトコル、データ記述方式などもフィールドネットワークごとに異なっている。各メーカーの販売戦略とも絡み、統一化への動きは遅れ気味であるが、ドイツのインダストリー4.0、アメリカのマニュファクチャリングUSA、中国の中国製造2025など国際的な製造業進化に向けた取り組みが活発化する中で、これからの日本の産業が目指すべき姿として「Connected Industries」のコンセプトを発表。

IoT化による、人と機械・システムが協調する新しいデジタル社会の実現には、生産性の向上と新たな付加価値が創出される環境整備が重要として、ITとFAをつなぐエッジコンピューティング領域でのオープンなプラットフォーム設置が必要と判断した。

ものづくりのIoT化推進では、FA機器メーカーはIT領域で、ITメーカーはFA領域での知見が不足していることから、Edgecrossコンソーシアムにはそれぞれの分野の有力メーカーが企業・産業の枠を超えて集結している。ユーザーの意見、製造業を取り巻く環境の激変が背景にある。

発足メンバーの51社の中には、シーメンスやシュナイダーエレクトリック、富士通、ヤマザキマザック、DMG森精機などセキュリティソフトも含め各分野の有力企業が参加している一方、PLCや産業用PCの有力メーカーで加わっていないところも多い。あるPLCの大手メーカーは「コンソーシアムが発足することを知らなかった」と語っており、今後日本発のグローバルな組織としていくためには、大同団結した取り組みがどこまで進められるかが鍵と言えそうだ。

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