産業用ロボット Q&A(19)

Q
ロボットの動作範囲にセーフティスイッチやセンサを設けた柵や扉を置くシステムは適切であるか?その場合に、柵や扉の強度を考える必要はあるか?

A
ロボットの可動範囲に関する質問と判断します。

「可動範囲」とは、プログラムによって制御された範囲ではなく、構造上記憶装置に基づいて動ける最大の範囲のことです。

しかしながらこの可動範囲内にロボットの制御系から独立している電気的ストッパー、または機械的ストッパーがあるときは、これらのストッパーにより、ロボットの動きが限定されるため、これらのストッパーにより作動できない範囲は可動範囲に含まれません。言い換えれば電気的、物的に遮断された以外の動ける部分が「可動範囲」ということになります。

そこで質問の「動作範囲」とは何かですが、プログラムによって制御されている範囲と判断されますので、プログラムを変更したり、何かの原因で書き換えられたりすると、本来の「可動範囲」まで動いてしまいます。

この「動作範囲」にセーフティスイッチやセンサを設けた柵や扉を置いても、その柵が、何かの弾みで「可動範囲」まで伸びてきたマニプレータなどをブロック、つまり阻止できるだけの強度を持つ「機械的ストッパー」の役割をもっているなら、このシステムは有効であると考えられます(柵などにはロボットの力で破壊されない強度が必要です)。

次に、これらの柵が強度的に機械的ストッパーの役目を果たすものであったとしても、故意に人間が柵を開けたり越えたりする場合には、セーフティスイッチやセンサによりロボットを緊急停止させる必要があります。この場合のセーフティスイッチやセンサはロボットの制御から独立していなければなりません。

なお、セーフティスイッチやセンサは、「危険検出型」安全装置なので、故障することが考えらます。したがって、これらの安全装置を使用する場合は「安全確認型」か複数のセンサの設置が望まれます。

出典:「産業用ロボットQ&A
100問」白﨑淳一郎著/労働新聞社刊(1,400円+税)

■白﨑 淳一郎
Junichirou Shirasaki

一般社団法人 白﨑労務安全メンタル管理センター代表理事

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