不連続戦線に異状なし 黒川想介 (43)

■最適化社会を享受しよう 新たな概念のインフラ活用を
1970年代に物づくりの自動化は急速に進んだ。興隆期を迎えていたその頃に工業化社会の後には情報化社会がくるとささやかれていた。80年に入るとパソコンが企業にちらほら入り出したが、まだワープロ的感覚で使われていた。情報化社会と工業化社会の区切りもはっきりわからないまま、情報化社会とはパソコンと関係ある社会がやってくるんだというボヤッとした感覚があった。

パソコンが通信と結びつき、LANそしてWANと発展し、あっという間に世界のパソコンがインターネットでつながり、ソフトが次々と開発された。仕事や生活に必要な情報を好きな時に入手できて、伝えたい情報は世界に向けて、いつでも発信できるようになって、これが情報化社会だと誰でもわかる時代になった。情報化技術が高度に進展し、やがて最適化社会がやってくるといわれている。物づくり技術によって豊かになった工業化社会からいきなり情報化社会が実現したわけではないように、最適化社会もいきなり目の前に現れるわけではない。

工業化社会では機械化の時代を通り自動化の世界が実現した。その過程で新たなる技術が生まれると情報化社会が遠くに見え出した。情報化の社会がスタートして現在は世上よくいわれている高度情報化社会に入っている。工業社会の興隆期は自動化が盛んだったように、情報化社会の興隆期は高度ICT化が盛んになった。工業化社会の興隆期にコンピュータと通信技術による情報社会が遠くに見えたように、ICT技術による高度情報化社会から見えるのは人が最適に暮らせる最適化社会だ。

まさに現在向かおうとしている、安全が確保された社会・都市にいながらも森林の中にいるような環境、便利なサービス産業型ロボット、高度医療社会、次世代交通システム、地球にやさしいエネルギーが確保されている社会が、最適化社会というものである。人々の生活が精神的なゆとりを持って最適な生活を享受できる社会なのである。最適化社会をつくっていくのは特質した技術である。特質した技術とはさらに進化する工業技術とますます発展する情報技術が最適に融合した技術ということになる。

最適化社会の大本になるのは、社会に整備される新しい概念のインフラで、これらは特質した技術の結晶であり、電力、エネルギー、交通、通信に代表される。これらの分野は鉄道総合技術研究所や産業総合技術研究所などの研究機関が先端技術の開発を進めている。そこでは交通、環境、エネルギー、ライフサイエンス、情報通信、ナノテクノロジー、材料などの研究を日夜、積み重ねている。

積み重ねられた技術はいずれ社会インフラを変えてゆくことになるのだが、技術開発の過程で副次的に生まれる技術は民間にも活用される。

精神的なゆとりを持って最適な生活を享受できるという最適化社会は、大本のインフラが高度に変えることだけで実現されるものではない。やはり民間企業が次の社会に向けて積極的に取り組む姿勢が鍵となる。次世代のインフラを十分活用して新製品や新システムの創造を積極的に行ったり、新製品や新システムにまつわる部品や機器商品の中にも、新しい技術が取り入れられて新しい部品や機器が出てこなければならない。

かつて60年代が中堅企業のベンチャー時代であったように、最適化社会に向けてイノベーションを主柱とする中堅企業やベンチャーを掲げる中小企業が多数でてくる時代になっていく。各営業はこれらの企業とのつき合いを深めることが必要というのはいうまでもない。

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