いまさら聞けない産業用無線システム アローセブン鈴木弘光社長 (2)

FA・産業系無線システムのエキスパートである、アローセブン鈴木弘光社長(無線Dr.ヒロやん)が産業用無線システムについて分かりやすく解説する連載の第2回は「無線によるパルス信号の伝送活用例」。

工場内の装置から発生するパルスは、無線を活用して収集・分析することで、生産情報の把握に役立つ。無線伝送すると便利な信号としては、工作機械の生産カウント信号、製造ラインの製品カウント信号、電力計のパルス信号、ガス・液体の流量パルス信号などが挙げられる。これらのパルスを収集し、1時間ごとや1日ごとの数値を表やグラフにすることで、機械の調子が分かったり、工程が適正かの分析ができる。つまり、工場内に存在するパルス信号を無線を使って活用すれば、「生産情報」を「ローコストに収集」して「即座に改善」ができるようになると言える。
パルス無線化の注意点

とはいえ、パルス信号伝送の無線化は意外と難しい点がある。無線通信では無線部の電波状況や送信側・受信側の電源状況などが原因で、このパルスを数えられない可能性があり、対策方法に頭を悩ますこともある。
パルスカウント収集の問題と対策

パルスが欠落する原因と対策としては、以下のようなことが挙げられる。
(1)通信状態に依存するパルス欠落

原因‥信号の状態を連続的に送る方法では、送信間隔の間に発生したパルスは認識できない可能性がある。またこの方法は、無線通信エラーに対しても無防備となってしまう。

対策‥入力側の機器をパルスカウンタ機能にしてカウント値を無線伝送し、受信機は新しく発生したパルス分、出力させる。これで、カウンタ機能の分解能より短いパルス以外は見逃さない。
(2)電源状態によるパルス欠落

原因‥入力側あるいは受信側の機器の電源が切れると、「パルスカウントができなくなる」「無線伝送前のパルスカウント数が消えてしまう」という事態になる。

対策‥基本的な対策としては、UPS(無停電電源)の導入が挙げられる。電源再投入時にその旨の情報を送って、それまでの間のパルスをあきらめるという二次的な手段もあるが、情報の重要度とコストとのバランスによる判断となる。

次回は「遅れが許されない緊急信号の無線化」
(つづく)

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