面白い技術拝見 デジタル自己発電型押ボタンスイッチ制御盤内に受信機必要だが配線ケーブルなど不要に

弊紙は、これからの制御機器は自己発電型が開発されるのではないかと予測してきたが、押ボタンスイッチで登場した。ボタンを押したときの力を電気エネルギーに変換し、無線信号を制御盤内の受信機に送る遠隔制御の仕組みである。名付けて「ワイヤレス・バッテリーレス押ボタンスイッチ」。

プログラマブル表示器・パネルコンピュータ・回転灯メーカーのデジタル(大阪市住之江区南港東8―2―52、TEL06―6613―1101、安村義彦社長)が受信機とセットで発売した。欧州では飲料水工場などで採用されているが、日本では初登場である。

工場のベルトコンベア式生産ラインでは、どこか一カ所で遅れが発生した時に一時停止をするためのサイクル停止スイッチが取り付けられている。この非常停止押ボタンスイッチを取り付ける場合、制御盤までケーブル敷設が行われている。レイアウト変更時には配線作業が面倒といった課題があるため、無線化が採用されつつあるが、スイッチを動作させるための通電は必要とされている。

ワイヤレス・バッテリーレス押ボタンスイッチはボタンを押すと、そのエネルギーを電気エネルギーに変換できるダイナモ発電機能を備えており、バッテリーが不要である。

また、送信機能により無線信号を送信する。数10メートル離れた位置にある1台、または複数の受信機にIDコードを使用した無線コード化されたメッセージが単一のパルスで送信され、異なる複数の送信機によって1台の受信機を作動させることも可能である。

当然のことながら、制御盤内には受信機が必要となるが、配線工事、ケーブル、ケーブルダクト、中継ボックスの削減などの利点があるという。

同社の説明によると、ベルトコンベヤ上での全品検査や抜き取り検査などの実施通知などスイッチを後付けしたい場合、作業者が保全担当者や責任者を呼び出すとき、さらには防爆エリア・粉塵対策・クリーンルームの配線工事の簡略化などに適している。

例えば、防爆仕様制御盤と防爆エリア外のスイッチ間の配線が不要になればコストダウン効果も大きい。

ワイヤレス・バッテリーレス押ボタンスイッチは、配電制御システム各社の提案営業に活用できそうである。

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