盤標準化協議会 安定受電へ定期点検をキューギクル事故と対応事例作成

盤標準化協議会(加藤時夫会長)はキュービクル式高圧受電設備トラブル・対応事例集を作成し、受電設備所有者に定期的な機器の更新を含めた適切な点検・管理の実施を呼びかけている。

生産設備や情報機器の高度化に伴い、電気の安定供給へ主要な設備である高圧受電設備の高信頼性が求められている。特に利便性から普及しているキュービクル式に対し、同協議会では設計、施工、保守などの不備に起因する事故などにより停電するケースが少なくないとして、今回、トラブルとその対応事例をまとめたもの。

トラブル・対応事例には次の項目が掲載されている。

(1)雨(2)雪(3)雷(4)小動物の侵入(5)騒音・振動(6)高調波(7)経年劣化(8)その他となっている。

例えば、「雷によるVTの故障(割れ)」について、工場の屋外敷地内に設置されたキュービクルで(1)高圧側のVMの針が振れていない(2)停電して点検したところVTが割れていた(3)PAS側、キュービクル側ともに避雷器が設置されていない状況が判明。原因としてメーカーへの調査依頼の結果「サージ電圧(VT使用中の落雷)の影響を受け、1次コイルが絶縁破壊した可能性が考えられる」として、「キュービクル内に避雷器を追加設置」し防止対策を講じる。

「高調波によるリアクトル破損」トラブルについては、小規模工場の屋外に設置されたキュービクルが夜中に6%直列リアクトル(SR)破裂による停電が発生。原因は、過大な高調波の流入により当該SRの高調波耐量を超えたことに起因する不具合と推察。機器メーカーの調査結果によりリアクトル自体の異常はなく6%直列リアクトルの第五調波電圧歪み率4・0%を超える歪みが発生したと推察。防止対策としてSRの交換を実施。さらに発生源は需要家側ではなく電力系統からの流入であることからリアクタンスを13%に引き上げる必要性を説明。

事例集では対応策を具体的にあげており、大いに参考になる技術資料である。

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