【FA各社トップが語る2026】オータックス「接続部品の製造受託で業界再編を主導」代表取締役社長 富田 周敬

市場環境は底打ち感が出ている。欧米の産機向けは回復基調にあり、国内も在庫調整が一巡し、適正水準まで積み増す動きが出てきた。中国市場の停滞は否めないが、これからの最大の勝負所はインドだ。人口15億人を抱え、国策としてインフラ整備が進むインド市場は、まだ中国メーカーが席巻していない。ここで勝てなければ世界で勝てないという覚悟で、インド市場へのアプローチを強化する。
当社は「ものづくりの裏方」を掲げ、大手メーカーが撤退・縮小するスイッチや端子台などの事業を継承するM&Aを積極的に推進している。富士通コンポーネント、松久、佐鳥電機に続き、2025年にはパトライトの端子台事業を承継した。大手にとってはニッチでも、ユーザーにとっては「なくなると困る部品」だ。当社が受け皿となり供給責任を果たすことで、ユーザーの事業継続を支える。自社ブランドに固執せず、他社ブランドの生産も引き受ける「接続部品のファウンドリ(製造サービス)」こそが、当社の目指す姿だ。
生産体制はグローバルで再編を進める。中国工場を縮小し、タイ工場をグローバル供給のハブとして強化する。同時に、国内生産への回帰も進め、長野事業所を国内生産の中心拠点として稼働させた。物流コスト高騰や地政学リスクに対応するため、日本、中国、タイの3極体制を柔軟に使い分ける。
中期経営計画「チャレンジ150」では、2027年度に売上高150億円を目指す。この達成に向け、IPO(新規株式公開)の準備も進めている。上場で資金調達力を高め、後継者不足や投資力不足に悩む中小部品メーカーの技術継承と業界再編を主導する。AIやIoTが進化しても、物理的な「接点」は決してなくならない。2026年の設立50周年に向け、伝統を守りつつ、新たな製造サービス業としての地位を確立する。



