- コラム・論説
- 2020年4月22日
色を制すものが世界を制す 人と機械が共存する時代の色とは?
今号からオートメーション新聞は、紙媒体からPDF電子版に完全移行したわけだが、もうひとつ大きな変化がある。それが紙面の「完全カラー化」だ。いまさらと笑われてしまいそうだが、モノクロから脱却して色のある世界になったことで表現の範囲が広がり、多くの情報を正確に伝えられるようになった。年間購読料も無料化して読者も増えていることだし、新たに手に入れた「色」の力を活用し、FA・製造業界をさらに盛り上げていく。気持ちも新たに再スタートだ。
改めて「色」について考えてみると、人は色を制御できる唯一の動物であり、それをしながら進化してきたとも言える。例えば、人類の創世記は、自然の素材そのものの色を使い、そもそも色を制御する概念・技術はなく、他の動物と同じだった。しかし人類が進化して社会制度を整備し、それにともなって文化が生まれてくると、衣服や生活用品、建物など身の回りのものに色をつけ、そこに意味を持たせるようになり、人の社会はカラー化した。そして現代に至っては、より緻密に多くの色が作られ、使われ、色鮮やかで便利な世界が広がっている。
しかし、いま私たちの前に広がる色の世界は、人が人の目で見ることを前提に最適化されてきた色の世界。これから社会の自動化が進んでいくと、この世界はどうなっていくのだろうか。すでに製造現場では多くの機械の目が導入されているが、今後は日常社会でもより一層、マシンビジョンが増えていく。そうなるとそれに合わせるための色が求められ、人中心の色の世界も、人と機械が共存するための色の世界へと変わっていく。「白って200色あんねん」と言われるように、色の世界は無限だ。見るもの、見る時、見る環境、見る目的によって最適な色は異なる。色を制するものが世界を制す。色の制御にチャンスの種を感じる。