オートメーション新聞N0.403を発行!24年度のFA・制御機器市場まとめや主要各社の24年度決算など掲載中

DMG森精機、奈良県大和郡山市の奈良事業所を拡張 世界最大級のシステムソリューション工場として稼働開始

DMG森精機は、かねてから改装工事を行っていた奈良県大和郡山市の奈良事業所が2025年4月より稼働を開始した。今回の改装により、自動化システムの構築エリアが従来の約4倍となる約2万平方メートルに拡張され、業界で世界最大級のシステムソリューション工場として生まれ変わった。総投資額は約90億円。
奈良事業所は、長らく工作機械の製造を行い、2016年には約5000平方メートルのシステムソリューション工場を新設したが、工作機械製造を伊賀事業所(三重県伊賀市)に集約してから工作機械の組み立てを行っていたエリアを改修。このほど自動化システム構築エリアを従来比4倍の約2万平方メートルとし、業界で世界最大級のシステムソリューション工場としてリニューアルした。


同事業所では、パレットハンドリングシステム、ワークハンドリングシステムなど、多彩な自動化システムの設計から組み立て、出荷前のお客様の立ち会いまでを同社のエンジニアが連携し、一貫した生産体制で高品質な自動化システムをワンストップで提供。長さ100メートル以上の自動化システムラインも構築可能で、操作盤の組み立てや制御盤の試作品組み立ても実施する。
同事業所で自動化システムを構築し、精度やシステム動作を確認した後、顧客の工場で再構築をし、事前に課題を解決してから出荷するため、立ち上げまでのリードタイムを大幅に短縮できる。また、厳格な入室規制や監視カメラの設置など、高度なセキュリティ体制を確立しており、機密性が高い案件にも対応している。
事業所内には北工場、制御盤工場、南工場の3つの工場と、6階建ての事務所棟があり、約220名の社員が勤務。3、4階は主に自動化開発部門のオフィスフロアがあり、5、6階には100名が収容可能なセミナールーム、社員の憩いの場であるカフェと1,200冊以上の書籍を設置。また、工場屋根には大規模な太陽光発電パネルを設置し、再生可能エネルギーを活用したサステナブルな生産を実現し、工場内で使用する全ての空調と照明の電力をカバーしている。


これまでのシステムソリューション工場には、AIおよびEV向け実装基板自動外観検査装置を手掛けるグループ会社のサキコーポレーション 奈良事業所が2025年2月から移転して稼働しており、2026年にはグループ会社のマグネスケールのレーザスケール工場が近隣で稼働する予定で、自動化システム生産の集積が進んでいる。

https://www.dmgmori.co.jp/corporate/news/2025/20250415_nara.html

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