
三菱電機は、高速・高精度な制御ニーズに対応するFA統合コントローラ「MELSEC MX コントローラ」を発売した。
同製品は、シーケンス制御とモーション制御を一体化し、1台で多軸モーション制御ができるFA統合コントローラ。シーケンス・モーション制御に高性能マルチコアMPUをソフトウェア上で実行する方式を採用し、モーション制御性能を従来比で約10倍に向上。1台のコントローラで1.2ms /128軸の高速制御、最大256軸の多軸制御が可能。またCC-Link IE TSNフルスペック版により1台で3種類の演算周期(2ms、500µs、125µs)を混載でき、軸ごとに異なる演算周期設定が可能。巻取機や塗布装置のような速度の異なる軸が混在する装置でも、高速軸の制御性能を確保しながら安定稼動させ、高い生産性を実現できる。
またファンクションブロックを使ったノーコードプログラミング機能を搭載し、国際標準規格PLCopenの「Motion Control FB」を使ったプログラミングによって設計期間の短縮、コスト削減も可能。エンジニアリングツール「MELSOFT GX Works3」は1ツールでシーケンスとモーションのプログラミングができ、開発工数も削減できる。AIを活用したデータフロー解析や各種デバッグ機能も標準搭載し、プログラム開発工数の削減とデバッグ作業を効率化できる。
また国際標準規格IEC62443-4-2にも対応し、メーカーや機種を問わずデータ連携を可能にするOPC UAサーバ機能も搭載。OT領域内外の通信暗号化、ユーザー認証、プログラム改ざん検出機能なども備え、製造業を狙ったサイバー攻撃からシステムを保護する。
さらに、3Dシミュレータ「MELSOFT Gemini」やロジックシミュレータ「MELSOFT Mirror」と連携することでデジタルツインに対応し、システムの事前検証による工数大幅低減や、設備異常発生時の自動ロギングによって迅速な原因究明と復旧を可能としている。
超多軸ユーザー向けの「MXR500」(最大256軸)、標準的な多軸制御向けの「MXR300」(最大64軸)、小規模またはスタンドアローン向けの「MXF100」(最大16軸)を用意し、リチウムイオン二次電池、半導体・液晶、食品・包装、自動車(EV)、電子部品製造など、多様な分野のニーズに対応する。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/news/2025/news_20250507.pdf